2019年12月13日 1604号

【1604号主張 民主主義を壊す権力の腐敗 安倍政権は即時退陣だ】

違法行為は隠せない

 11月29日、総務省と山口県選挙管理委員会が2018年の政治資金収支報告書を公表した。それによれば、安倍首相が代表を務める政治団体に、同年の「桜を見る会」前夜に行われた安倍後援会による夕食会の収支に関する記載はなかった。

 この記載がないことは誰が見てもおかしい。参加者は首相の支援者など850人。1人の会費が5千円だったことは安倍自身認めている。ところが、1人あたりの料金は最低でも1万1千円とされる。差額6千円分約500万円はどこから支出されたのか。首相側が補填(ほてん)したとすれば、公職選挙法違反の供応接待となる。ホテル側が負担したとすれば、政治資金規正法で禁じられた寄付行為にあたる。

 安倍とその意を受けた関係者の違法行為は隠しようがない。法に基づき、当たり前に捜査を行い、立件し、犯罪として裁くことから逃れさせてはならない。

腐敗と私物化に怒り噴出

 2015年の「桜を見る会」には、マルチ商法で高齢者らを食い物にしたジャパンライフの元会長が、安倍首相の推薦枠で招待されていた疑惑が明らかとなった。内閣府提出資料では招待者の通し番号区分「60〜63」は「総理、長官等の推薦者」。ジャパンライフ元会長の受付表には「60」と記されていた。政府も「首相を含む官邸枠」であったことを事実上認めた。ジャパンライフは宣伝チラシに招待状を印刷していた。被害者は「『桜を見る会』の招待状を見て信用した」(11/29野党ヒアリング)と憤る。

 加えて菅官房長官も、会での「反社会勢力」との写真撮影が暴かれ、腐敗は底なしだ。

 11月23〜24日に共同通信が行った世論調査では、公費による首相主催の「桜を見る会」に関する安倍首相の発言を「信頼できない」との回答が69・2%にのぼった。どの調査でも、市民の大半は納得せず不信を示している。

 「桜を見る会」問題は、安倍政権下で繰り返されてきた権力の腐敗と国家私物化の極致だ。もしこれさえも放置されるなら、この国の民主主義は完全に崩壊してしまう。多くの市民が危機意識を持ち、怒りで行動しつつある。

憲法いかす根本的変革へ

 「桜を見る会」、政治とカネをめぐる二人の大臣の辞任、「身の丈」発言問題など批判の高まりの前に、安倍・自民党は改憲のための国民投票法改定案の採決強行もできない。今国会での法案成立を必須の目標としていたが、見送らざるをえなかった。

 いま必要なのは、法も民主主義も壊し憲法改悪に執着する安倍政権をただちに退陣させ、憲法を生かす根本的な政策転換につなげることだ。

 戦争させない・9条こわすな!総がかり行動実行委員会は12月4日、「権力私物化やめろ!政治の腐敗に怒りを!安倍政治をおわらせよう!官邸前大行動」を呼びかけ、大阪(12/3)をはじめ全国で怒りの行動がある。また、地域では、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が呼びかける「軍事費よりも社会保障を」署名などで対話し、抗議する取り組みも広がっている。市民の運動の力で圧倒的世論をつくりあげ、安倍腐敗政権を即時退陣させよう。

   (12月1日)
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