2019年12月13日 1604号

【地域の声を力に変える 広がる戸別訪問】

 米国で地域から変革の闘いを進めるDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)に学び、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が呼びかける「軍事費を社会保障に」署名や地域の通信などを手に一軒一軒足を運ぶ戸別訪問。試行錯誤を重ねながら、今まで以上に広く深い対話が進んでいる。(7面に関連投稿)

怒りの声集める戸別訪問は政治を変える 大阪

 大阪市では、DSAから学んだ地域変革のための戸別訪問を実践しています。

 毎月の一斉戸別訪問では、初心者と経験者がペアを組みいろいろなケースを想定して練習し、訪問に踏み出します。チャイムを鳴らして、「山川よしやす事務所(平和と民主主義をともにつくる会・大阪)では、要請行動に取り組んでいます。大阪市や国に言いたいこと、ご要望を伺いに回らせていただいています」と呼びかけると、ドアを開け話してくれる人もいます。

 「大阪市の介護保険料は高すぎる」「認知症の母をみるため仕事を辞めた。みている家族の負担をもっと減らせるよう考えてほしい」という意見や、「ともにつくる会」で作った資料を見て「大企業のため込みの話は知らなかった」「金持ちからもっと税金を取って」という声もいただきました。

 先日、「山川通信」の配布件数が多く、対話する機会が少なかった地域の読者訪問に取り組みました。51軒を回り、6人と対話でき、うち3人は初めて会った読者でした。

 転入者からの町会費が集まらず維新市政で助成金も減らされて困っているという町会副会長は「大戦中、この近くに高射砲台があった。改憲させたらあかん。それに対し頑張っているのが沖縄」と安倍の戦争政策に怒り、スピーキングツアー集会にチケットカンパをしてくださいました。

 「桜を見る会」に怒る読者からは「介護認定は受けていないが、子どもが遠くに住んでおり不安」と聞き、「お困りのときは、山川事務所へ連絡を」とお伝えしました。

 また、西成区でボランティアや里親もしている読者からは「あいりん地区の支援をしてくれる維新支持だが、山川さんに投票した。次も頑張って」と聞き、読者の裾野の広さに驚きました。事務所での定例会への参加を呼びかけ、仲間を拡げたいです。

 一方、メディアの誘導で、「朝鮮や中国の動きが心配なので、軍事費は必要だ」「自衛隊は災害救助で頑張ってくれているから、9条への自衛隊明記に賛成」「経済活性化のためカジノは必要」という意見の人もいます。そうした人とも話をして、世論を変えていかなければなりません。

 「桜を見る会」や「戦争政策」「不公平税制」など安倍への怒りは、確実に広がっています。「政治はどうせ変わらない」と諦めている人にも、地域の声を集める戸別訪問をして仲間を増やすことで自分の意思を政治に反映させることができると伝えていきたいと思います。

(大阪市・笠井恵子)


家を訪ねると いろんなことを話せる場にもなる 京都

 米国のDSAは、地域を各戸訪問し対話することで支持者、仲間を大きく増やしていると聞きます。

 何かを訴えるのなら駅前等街頭の方が効率は良いのでは? と考えていましたが、とりあえず、一度やってみようという思いで11月、戸別訪問の経験者とペアを組み訪問にチャレンジしました。対話し、「軍事費よりも社会保障に予算を」「そのような世の中に」と訴え署名に協力していただくことが目的です。

 留守宅も多かったのですが、在宅者の4人に1人くらいは署名に協力していただけました。おひとりとは、現在の社会のおかしなことに加え、過去されていた活動等についてもお話でき、「わざわざ来て下さりありがとう」とも。11月「団結まつり」の協力チケットを購入いただけたことは、うれしいことです。ひとりではできないことが、ペアを組むことでできましたし、名札を用意することで自己紹介のしやすさから一歩が出やすくなりました。

 お家を訪問するということは、その方の許せる時間内で色んなことを話せる場を得ることかもと認識しました。今後、協力いただいた方を再訪問し、信頼関係を深めることが大切であると思っています。

 (京都・神田高宏)

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