2019年12月13日 1604号

【奥間政則さん報告要旨/ドローンの眼は見逃さない/琉球弧で進む軍事化】

 軍事化が進む琉球弧の島々をドローンで撮影している。

 奄美大島では、陸海空自衛隊の全部が揃い、新たなミサイル基地が造られている。宮古島では、保良の弾薬庫工事が始まった。野原(のばる)米軍レーダー基地を自衛隊が使い、集落まで近い所で200b。事故があれば確実に影響する。

 石垣島では、元ゴルフ場へのミサイル基地建設に反対し、米軍の強制接収で北谷(ちゃたん)を追われ二重の苦しみを味わう農民が立ち上がっている。30dダンプが停まる大規模造成工事だ。与那国島では、レーダー基地と駐屯地がすでにでき、自衛隊が地元に溶け込んでいる。島民を敵とみなし、監視しているのが怖い。

 辺野古埋め立ては進むが、安和からの土砂搬出を反対運動が遅らせている。K8護岸の工事に「法的瑕疵はない」とする仲井真(元知事)残党が行政にいるので、対抗するため県議とつながって要望を出している。2年前のNHK「沖縄に1300発の核がある」報道の通り、嘉手納と辺野古に持ち込まれ、持ち出された記録はない。核があるかもしれない辺野古弾薬庫は2つの活断層に挟まれ、一部斜面が崩落した。

 埋め立ての土砂は、本部と国頭の採石場から粗悪品の赤土を持っていく。ただのような土が1立方b5000円。採掘権をもつヤマトの業者に防衛省が支払う。山はとりつくされてしまった。4月25日、土砂を搬出する塩川港に数十人が集まり、ダンプを止めた。港内は道交法が適用されず、簡単に排除されない。10月21〜25日の連続5日大行動には連日150人を超える人びとが結集してダンプを通さず、大成功。国道を普通に走る「ゴーゴー・ドライブ」でトラックを港湾内に閉じ込める。多い時で64台が渋滞してベルトコンベアが止まり、土砂を運搬船に積めなかった。来年2月25〜29日にも再び連続5日大行動に取り組む。

 米軍の軍事訓練も市民運動が止めた。9月17日、全港湾(全日本港湾労働組合)の体格のいい50人ががっちりスクラムを組み、機動隊は排除できなかった。ニュースを見て自発的に集まった港湾労働者だ。機動隊が「退(ど)きなさい」と言っても、退く意思はない。

 国と闘える労働組合が残っている。われわれだけだったら15分で排除されただろう。機動隊は全港湾がいることを想定しておらず、遠くに待機させた何台ものカマボコ(警備兼輸送車)に向けすごすごと撤収していく。こんな光景は見たことがない。軍事訓練を止められたことに米国元国防長官が驚いている。日米地位協定で港はどこでも使えるはずだが、許さなかった。米軍は年内にもう一度やるという。もう一度止めよう。
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