2019年12月13日 1604号

【済州・沖縄の反基地運動と連帯/2019ZENKOスピーキングツアー/東アジアに武力なき平和を】

 韓国・沖縄の反基地平和運動と連帯し、東アジアに武力なき平和をつくろうとZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)主催のスピーキングツアーが始まった。沖縄県大宜味村在住の土木技術者・奥間政則さんと韓国・済州(チェジュ)島の市民運動家ノ・ミンギュさんを招き、11月30日の札幌を皮切りに全国7都市で集会が開かれる。

中央政府の決定を地方に押しつけるな

 12月1日の東京集会で二人はともに、済州から奄美・沖縄・宮古・石垣・与那国に至る島々の地図を示し、「琉球弧全体が軍事化されつつある」(奥間さん)「米国の対中国前哨基地になっている」(ノさん)と指摘。奥間さんは辺野古への土砂搬出、米軍の訓練を止めた画期的な運動について、ノさんは済州第2空港建設に反対するハンガーストライキについて、報告した。(3面と本面に要旨)

 質問に答えて、奥間さんは「ドローン規制法が6月に施行。米軍や自衛隊の基地はまだ適用外だが、宮古島でドローンを飛ばしたとき警察に通報された」と懸念を表明。ノさんは「住民の意思を無視して国の決定を押しつけさせないため、みんなで問題を論じる“公論”化が必要。香港のデモに済州から支持アピールを発し、訪問団を送った」と話した。

 宮古島の自衛隊ミサイル基地建設に反対する楚南有香子さんが駆けつけ、弾薬庫予定地の保良(ぼら)地区に生まれ育った下地茜さんとともに、翌日行う政府交渉への参加を呼びかけた。「トラックが毎日10台ほど現場に入ってくる。その前を楽しく歌ったり踊ったりしながら歩いて抗議している」(下地さん)「南西諸島のミサイル基地配備問題のアニメを作った。YouTubeで見られます」(楚南さん)

 リレートークで、足立区在住のAさんは、ノさんが「第2空港問題は四・三事件(1948年4月3日に始まった島民虐殺事件)の延長線上にある」と言及したのを受けて「父は四・三事件の被害者。仲間は警察につかまり全員銃殺されたが、命からがら逃れ、日本に移った。父から子の私そして孫の代まで、彼らの意に反して生き続けている。それもこの地があったから」と話し、「基地はできる前に止めなければならない」と訴えた。

 ZENKO参加団の一員として沖縄を訪れた画家の山内若菜さん。日韓の二人がハグする絵を背に、「美術家は絵と社会的なものとを分けて考えるが、私はこっそりと一生懸命やって絵に昇華する。すばらしい絵を世代を超えて残せるよう描きたい」と抱負を述べた。

 奥間さんら制作のDVD『ドローンの眼』の上映会を開いたZENKO三多摩、THAAD(サード)ミサイル撤去などの要請書を韓国大使館に送った「平和と民主主義をともにつくる会・東京」から発言が続く。1月に行われる「日韓ユース平和参加団in済州」に参加予定のメンバーも決意を語った。

 激励グッズを贈られた奥間さんは「済州と沖縄の違いは闘っている人の年齢層。若い人も連帯できる運動の広げ方を考えよう」、ノさんは「きょう、みなさんからとても力をもらった」とひと言。ZENKO共同代表の河辺友洋さんが「現地と結んで自分の足元で、地域で闘いを広げよう」と集会を締めくくった。



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