2019年12月20日 1605号

【1605号主張 戦争許さぬ日韓市民連帯 中東海域派兵止め平和構築へ】

韓国・沖縄の反基地結ぶ

 韓国・沖縄の反基地平和運動と連帯し東アジアに武力なき平和をつくろうと、平和と民主主義をめざす全国交歓会(ZENKO)主催のスピーキングツアー集会が11月30日〜12月8日、札幌から那覇まで全国7都市で開かれた。

 沖縄ドローンプロジェクトの奥間政則さんは、南西諸島の米軍・自衛隊基地工事の違法性を暴き安倍政権を追及。辺野古への土砂搬出、米軍の訓練を止めた画期的な闘いを報告した。韓国・済州(チェジュ)島の市民活動家ノ・ミンギュさんは、韓国の反基地平和運動の広がりと済州第2空港(空軍基地)建設阻止への17日間の断食闘争を伝えた。ともに南西諸島と済州島の軍事的連なりを指摘し、民意に反する対中国包囲網を許さないと訴えた。市民、労働者による現場の闘いが基地建設を阻み東アジアに平和をつくる展望であることが確認された。

 韓国・沖縄民衆との連帯を一層強め、東アジアの平和の妨害者、安倍政権を倒し、日米韓の軍拡を止めるときだ。

派兵許さず安倍退陣だ

 安倍政権は、12月20日にも自衛隊の中東海域派兵を閣議決定し、年明けの護衛艦出航を画策する。東アフリカ・ソマリア沖で活動するP3C哨戒機を派遣し「いずも」型護衛艦=空母の派遣も狙う。

 防衛省設置法の「調査・研究」を無理やり派兵根拠とし、米イラン間で交戦があれば「重要影響事態法」、有志連合が戦闘に入れば「武力攻撃事態法」の戦闘行為に踏み出す魂胆だ。戦争法発動をもくろむ策動を許してはならない。

 安倍は民営化を見据えて重視する教育再編攻撃で後退を余儀なくされた。大学入学共通テストでの英語民間試験に続き、国語・数学の記述式導入も頓挫。「桜を見る会」の腐敗が次々暴露され、公職選挙法・政治資金規正法違反、贈収賄罪に当たるとの追及から逃げ回るのに必死だ。

 今国会の憲法審査会で改憲項目を提示するどころか、国民投票法改定の5国会連続先送りに追い込まれ、参院憲法審査会に至っては3分間しか開催できなかった。産経新聞に「停滞には与党や安倍晋三首相(自民党総裁)にも責任がある」(12/8社説)と名指しされる始末だ。

 もはや末期症状の安倍政権だが、中東や朝鮮半島の「危機」「緊張」を宣伝し、執拗に排外主義を利用して政権再浮揚を狙っている。汚職・腐敗を徹底追及するとともに、危機と排外主義をあおるあらゆる動きを許さず、改憲もろとも安倍を退陣させよう。

日韓ユースin済州へ

 1月10〜13日、「日韓ユース平和参加団in済州」が取り組まれる。日本(ZENKO)と韓国(代案文化連帯)の若者が済州島を訪れ、過去の歴史を学び、現在の闘いに参加し、公正な未来をつくるために連帯と交流を深める。

 日韓政府の関係が険悪で米朝交渉も予断を許さない今だからこそ、日韓市民の力で東アジアの平和構築を進めなければならない。特に排外主義、歴史修正主義が蔓延する日本社会を変革するために、若い世代に日韓連帯の潮流を広げることは決定的に重要だ。日本の若者が韓国を訪れることの意義は大きい。必ず成功させ、平和を求める声を発信し広げよう。

   (12月9日)
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