2019年12月20日 1605号

【自衛隊ミサイル弾薬庫建設NO! 宮古島市民が院内集会・政府交渉 私たちは保良に立ち続ける 集落近くの兵器庫はジュネーブ条約違反】

 沖縄・宮古島保良(ぼら)地区の自衛隊ミサイル弾薬庫建設に抗議して活動する楚南有香子さん、下地茜さんが12月2日、参院議員会館で対政府交渉を行った。「南西諸島ピースプロジェクト」が主催した。

 交渉に先立つ院内集会で、同プロジェクト企画の南西諸島ミサイル基地配備問題アニメを上映。楚南さんは「日本中の人が見てほしい。軍事にかける予算は文科省予算を超える勢い。消費税は社会保障には使われず、どんどんアメリカから武器を購入する。9条の文面を守るだけでなく、どこまで“戦力”を“戦力”じゃないと言って持ち続けるのを許すのか、本気で議論しないといけない」と話す。

 下地さんは保良で生まれ育った。「10月7日から工事が始まった。警備の人と対立する構図ではなく、『楽しく明るくしなやかに』を合言葉に行動。トラックの前で10〜20人が“牛歩”し、搬入を遅らせる。歌を歌い、最後は必ずクイチャー(宮古島の伝統的踊り)を踊る。地元の人もイベントに参加する感じで気軽に参加してもらえれば」と抗議活動の様子を伝えた。

 軍事ジャーナリストの小西誠さんは「先島―南西諸島の軍事化・要塞化に抗し、同地域の非武装化を求める共同声明」への賛同を呼びかけた。

 政府交渉で強くただしたのは、住民の集落近くの弾薬庫建設はジュネーブ条約と同追加議定書が定める軍民分離の原則に反する、という点。政府側は、外務省が文書で「自衛隊施設が『軍事目標』に当たるかは実際に武力紛争が生じたときに判断」と“回答”してきたものの、「自衛隊の能力が明らかになるおそれがある」(防衛省)などとして回答拒否を連発した。

 千葉県の自衛隊習志野基地については火薬庫と住宅地との間の保安距離が明らかにされている。楚南さんは「習志野では数字も答え、ミサイル・ブースター落下の危険性の話もする。ところが、宮古島ではひと言も説明がない。習志野の人たちも私たちも同じ命の心配をしている。同じように答えよ」と迫る。

 交渉後、楚南さんは「何のために座り込むのか。穏やかな日々が欲しい。安心して暮らしたい。防衛省の回答はものすごく不誠実。でも、だからこそ帰ってからも私たちは保良に立ち続ける。みなさんの力を貸してください」と涙の訴え。参加者からは期せずして「宮古島を応援しよう。宮古島に行きましょう」と声が上がった。

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