2019年12月27日 1606号

【1606号主張 安倍政権は末期症状 派兵も新基地も許さない】

派兵閣議決定は憲法違反

 安倍政権は、海上自衛隊の中東海域派兵を12月23日にも閣議決定しようとしている。 現在東アフリカ・ジブチに駐留するP3C哨戒機を年内に参加させ、年明けに艦船1隻を派兵することを狙う。武力衝突など不測の事態が起これば、武器使用が可能な海上警備行動発令も想定する。

 派兵の根拠とされる防衛省設置法の「調査・研究」は、国会承認も報告も必要ない。民意をかえりみず安倍内閣の独断で派兵し中東の緊張をあおる。まさに憲法の禁じた「国権の発動たる戦争と武力による威嚇」であり、「武力の行使」に道をひらく。明らかな憲法違反のこの派兵には、一片の道理もない。

 政府は、米国の対イラン軍事包囲網である「有志連合」に参加しないと言うが、他国と意思疎通・連携を図るとしており実質参加だ。「有志連合」への参加表明はわずか6か国で、実際に派兵しているのはオーストラリアの哨戒機1機のみ。でたらめな手法まで使ってあえて参加するのは、海外派兵に慣れさせ、全面的な集団的自衛権行使と改憲への流れをつくりだすためだ。派兵―戦争推進政策を断じて許してはならない。

無法な土砂投入1年

 安倍戦争路線の柱である沖縄辺野古新基地建設。12月14日、辺野古への土砂投入強行開始から1年が経過した。

 政府は、2月24日の県民投票や7月参院選などで示された新基地反対の圧倒的な民意を無視し、埋め立てを既成事実とすることで沖縄県民をあきらめさせようとしてきた。

 しかし、屈することのない反対意思と粘り強い抗議行動が新基地建設を阻んでいる。県によれば、計画全体で必要な土砂投入量約2062万立方bに対し、投入されたのは約20万5000立方b。全体の約1%にすぎない。「100年かかっても完成しない」(12/15沖縄タイムス)と市民が言うように、完成の見通しは政府自身も口にできない。埋め立てに本来使用できない赤土を岩(がん)ずりと称して使っている違法な工事実態も暴かれている。

 玉城デニー沖縄県知事は「今の状況をもって県民があきらめ感を持つなどということは絶対にない」(12/13記者会見)と述べる。沖縄県民そして現地の行動と連帯し、全国で闘いを強めれば、新基地建設は必ず止められる。

これ以上安倍はいらない

 安倍政権は末期症状だ。2人の閣僚が公選法違反追及で辞任。萩生田文科相の「身の丈」発言に怒る当事者らの闘いで英語民間試験は延期され、ベネッセに採点を丸投げする国語・数学記述式試験も白紙撤回となった。「桜を見る会」私物化への批判はおさまらず、幕引きなどできるわけがない。安倍が執念を燃やす自民党改憲案の提示は阻まれ、国民投票法改定案も審議すらできなかった。

 12月世論調査(共同通信)では、内閣支持率が前月比6・0ポイント減の42・7%。不支持が4・9ポイント増の43・0%と逆転した。たび重なるアベ政治の無法に地域には「いいかげんにしろ」と怒りがあふれる。

 今、全国から中東派兵閣議決定阻止、安倍即時退陣の行動、ファクスなど声をあげるときだ。安倍政権を倒し、中東海域派兵と新基地建設を阻止しよう。

   (12月17日)
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