2019年12月27日 1606号

【たんぽぽのように(10) 冬至、同志、トンジ 李真革】

 朝の出勤の道、息を吐くと白く立ち昇る。いつの間にか12月だ。1年の中で、昼が最も短く、夜が最も長いという冬至が目の前にある。

 韓国では、昔から冬至の日に赤い小豆粥(あずきがゆ)を作ってみんなと一緒に分けて食べる風習があった。赤い小豆粥は昔から厄を防ぐ季節料理として親しまれている。地方によっては葬式や引越しの時に厄を防ぐために小豆粥を作って家の内外に撒き、隣人と分けて食べる風習があったという。この小豆粥は、日本のぜんざいと似ていながらも違う。

 そして同志。

 その形も、意味も全く異なるが、ハングルで表記すると形と音が同じ同音異義語である。

 冬至も、同志も、韓国語の発音では、トンジになる。

 日本語を学び、同志という漢字語のほかに、仲間という言葉を頻繁に使うことを知った。私も今はしょっちゅう使用する表現になったが、それでも私は仲間という言葉よりも同志の方がより胸が熱くなる。

 日本語と韓国語は漢字文化圏に属していて、言語学的にも似ている部分が本当に多い。無理、無視、都市、道路、鞄、意味、算数、計算、道具…。これらの漢字語の発音は、日本語と韓国語がほとんど同じだ。

 言語が似ているというのは、考え方も似ていることを意味すると考えている。私たちの思考とは、一つの単語から始まり、文章を構成するからである。

 似たようなことが本当に多い一方で違う。また、多くの違いがありながらも、似たような日本と韓国ではないかと思う。

 最近のような時期こそ、相違を強調して違いの面を浮き彫りにさせるより似ている点を見つけて積集合(2つの集合の両方に含まれているもの)≠増やしていく努力が必要ではないかと思う。

 もうすぐ冬至だ。

 冬至を起点に、本格的な冬の寒さが開始されると言われる。

 冬であれば、ここ関西地域と比較が出来ないくらいに寒くなる韓国の天気を思い出してみる。

 そして、この寒さの中でサムスングループ本社の前で、大統領府と国会議事堂の前で、鉄塔の上で、あちこちで闘いを続けている人々の顔と名前を思い出してみる。

 労働組合を認めないサムスングループの被解雇者が、法外労組にさせられた全教組の組合員が、最高裁の判決を履行していない会社を相手に闘っている高速道路の料金所収納員の労働者が、数々の非正規労働者が、数多くの弱者たちが寒さをものともせず闘争を続けている。

 たとえ寒い冬至(トンジ)でも、同志(トンジ)がそばにいるから少しでも暖かくなることを、そして私もそのような同志(トンジ)になることを誓ってみる。

(筆者は市民活動家、京都在住) 
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