2019年12月27日 1606号

【東京地裁が腰砕け不当判決 「機動隊沖縄派遣 違法ではない」 一方「テント撤去の適法性には重大な疑問」とも】

 米軍ヘリパッド建設を強行するため2016年7月、沖縄・高江に派遣された警視庁機動隊員の給与の返還を求める住民訴訟の判決が12月16日、東京地裁であった。「機動隊の派遣は違法とは言えない」などとして原告の請求をすべて却下ないし棄却する不当判決となった。

 一方、判決理由では「座り込みを始めた際、住民は非暴力を貫くと取り決め、沖縄県警の人員だけで対応困難な状態は生じていなかった」「派遣された警察官の行為が必ずしもすべて適正に行われたとは言いがたい」「N1ゲート前の車両とテントを撤去した警察の行為の適法性には看過しがたい疑問が残る」と認定し、他府県からの大量の機動隊投入こそが現地の混乱を引き起こした最大の原因であることを示唆してもいる。

 ところが、結論は「派遣警察官による職務行為の適法性の確保はあげて沖縄県公安委員会・沖縄県警に委ねるほかない」とこじつけ、警視庁・東京都を免罪した。

 報告集会で高木一彦弁護士は「被告は『早く終結しろ』の一点張りだったが、裁判所はわれわれが申請した証人をすべて採用した。しかし、結果は腹が定まらない、正義を貫くことを諦めた腰砕け判決だ」と断じた。長尾宜行弁護士は「(沖縄平和市民連絡会の)北上田毅(つよし)さんらの証言が相当裁判所に届いている。住民訴訟に先立つ住民監査請求を東京都監査委員が全く審理せず却下したことも明確に『誤り』と指摘。不当判決だが、判決の積極的な側面を生かしていこう」と述べた。

 原告らは21日、都内で総会を開き、控訴するかどうか議論する。
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