2019年12月27日 1606号

【原発賠償京都訴訟控訴審 100人の支援者とともに「絶対負けられない」】

 12月12日、大阪高裁で行なわれた原発賠償京都訴訟の控訴審第5回期日は90人を超える支援者で傍聴席は満杯。15人の原告が出廷した。

 被告・国側のプレゼンテーションでは、「確保されるべき安全性は絶対的ではなく相対的」「長期評価については決定論的に評価せず確率論的評価の検討を認めたことに違法性はない」との開き直りに終始し、傍聴席からしばしば怒りの声が響いた。

 対する原告側は2本のプレゼンを用意。確率論的安全評価の第一人者、阿部清治さんの「規制のルールは、原則として決定論的なもの」との発言や津波の確率論的評価手法が当時まだ確立していなかったことなどを示し、長期評価は決定論的に評価すべきだったとして国の責任を追及した。また、内部被ばくの危険性を指摘し、避難および避難の継続には社会的相当性があることを主張した。

 弁論後の報告集会は約100人が参加。10名の原告が前に並び、一人ずつ思いを語った。開廷前の街頭宣伝行動で、話を聞いた見知らぬ男性がマイクを握って通行人に支援を訴えたというハプニングが紹介された。「『反社会勢力の定義はない』など国がおかしくなっている中、今日のプレゼンを聞いて絶対負けられないと思った」との発言も。

 弁護団からは、国は東京電力をかばうためにウソをついている。今後、内部被ばくとセシウムボール、国際人権法に規定された新しい権利、被害の実相などを明らかにしていく決意が示された。

 次回は2月26日14時30分開廷(集合は13時30分)。

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