2020年01月03・10日 1607号

【1607号主張 軍事費削減 大企業増税で社会保障拡充 教育完全無償化】

 2019年は、安倍政権の下での収奪と生活破壊が限界までに達し、それに対し、あらゆるところで怒りと抵抗が噴出した1年であった。

貧困大国化の進行

 実質賃金は19年も下がり続け、97年と比べ10%も低下。アベノミクス7年間で下がる一方だ。10月には消費税10%に増税。その結果、家計支出は5・1%減と前回14年の消費増税時よりも深刻だ。

 「年収1400万円は低所得」という日本経済新聞(12/12)の記事が反響を呼んだ。米サンフランシスコでは年収1400万円の4人家族が「低所得者」に分類されるが、日本の平均年収は550万円―という記事だ。下がり続ける日本の賃金を財界向けのメディアまでが指摘する。

 大多数の市民の生活は一層苦しい。低賃金・不安定雇用が蔓延し、高齢者の年金は減り続け、税・保険料負担が増え、大きな打撃を受けている。この貧困拡大は7年間の安倍政治がもたらしたものだ。

安倍政治に終止符を

 20年度政府予算案はさらに生活を破壊する。税収で初めて消費税が所得税を抜いた。大企業・富裕層の税逃れの結果だ。社会保障費の自然増分を1200億円も削り、安倍政権発足の13年以降で1兆8300億円もの削減となる。

 全世代型社会保障検討会議の中間報告では、75歳以上の医療費負担を2割に増やす。年金は、マクロ経済スライド発動も予定され、さらに減り続ける。高齢者にとってはダブルパンチだが、安倍は「70歳まで働きたがっている」とデマを言い、死ぬまで働かせる法整備をすすめる。

 他方、軍事費は過去最大5兆3133億円に肥大。憲法を逸脱した海外侵略軍化を進める。違法の赤土投入、軟弱地盤工事と称した杭打ちなど、沖縄辺野古埋め立てに膨大な予算を注ぎ込む。こうした軍事大国化を正当化するために、政府自らが嫌韓・排外主義をあおり立てる。

 米トランプ大統領らとともに、トップがヘイトをあおり、貿易戦争をしかける。生活も平和も破壊する安倍政権に、これ以上任せるわけにはいかない。

民主主義的社会主義へ

 しかし、安倍は末期症状だ。「桜を見る会」問題での批判世論は7割を超え、朝日新聞世論調査(12/21〜12/22)ではついに内閣不支持が42%と支持38%を逆転した。増税、生活破壊への怒りは今後さらに広がるだろう。また、基地阻止の闘いは沖縄、秋田、山口など根強い。海を越え韓国でも600団体以上が共同し「安倍糾弾市民行動」を展開した。安倍政権は市民の憤りと闘いに包囲されているのだ。

 NO安倍≠強めるだけでなく、賃上げ、社会保障拡大、医療・教育の完全無償化など根本的変革への対案を示し、運動を広げよう。財源は、不公平税制を正して応能負担を強め、内部留保456兆円をため込んだ大企業や膨れ上がる富裕層の富を吐き出させれば十分生み出せる。国際連帯で平和なアジアを築けば軍事費5兆円など不要だ。

 グローバル資本主義に代わる民主主義的社会主義の政策を掲げよう。米国では社会主義が人びとの心を捉えつつある。日本が例外であるはずはない。2020年、民主主義的社会主義への道をMDSとともに歩もう。

   (12月24日)
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