2020年01月03・10日 1607号

【憲法違反 異常な関西生コン労組弾圧/全市民で反撃 元旦行動へ】

 全日本建設運輸連帯労働組合関西生コン支部(関生支部)に対する弾圧は、2018年7月武健一委員長らの逮捕以来、のべ89人が逮捕され、73人が起訴されている。憲法違反の異常な組合つぶしが続いている。

労組と協同組合の共闘

 セメント業界では、優越的な大手セメントメーカーの地位濫用に対して労働組合が闘ってきた。中小零細の生コン企業は不毛な競争に追い込まれるだけだった。関生支部などが中心となり、協同組合の結成を援助。関西の生コン製造プラントの99%を組織し、価格を労働者が生活できるだけの利益が上がるものに引き上げてきた。「共同受注・共同販売」でゼネコンと対等に適正価格での取引をしてきた。

 しかし、利益が確保される中で、一部の経営者から労働組合が邪魔だ。労働条件なんか低いほうが良いに決まっている≠ニいう声が出る。労働組合とともにやってきたはずなのに、関生支部をつぶしてしまえ≠ニなってきた。

 関西生コン広域協同組合(広域協。幹部は反関生支部、ヘイト集団の在特会関係者らと連携)は18年、「関生のしていることは恐喝・強要だ。団体交渉に応じるな。関生の労働者は使うな。関生と仲のいい企業は使うな」と、協同組合に入っている企業―大阪の生コン工場すべてに通達を出した。この不当介入は当然裁判となり、広域協は次々と敗訴した。

組合つぶし目的の弾圧

 ところが、広域協の動きに手を差し伸べるように刑事弾圧が始まる。滋賀県警、兵庫県警、京都府警では、暴力団対策が専門の組織犯罪対策課が弾圧の先頭に立った。

 関生支部を「民事介入暴力集団」とし、正当な組合活動である団体交渉や抗議行動などを、恐喝、脅迫、威力業務妨害事件としてでっち上げ、不当逮捕し起訴する。特に指導部は再逮捕、長期勾留が続く。保釈されても組合員との接触禁止、組合事務所立ち入り禁止など条件が課せられ、組合活動への復帰が困難になっている。警察が組合員家族に対して「組合をやめるよう説得しろ」と恫喝まで行う。

 目的が関生支部の組織的壊滅にあることは明らかだ。

加茂生コン事件で勝利

 加茂生コン事件は2017年10月、常用的な日々雇用の生コン運転手が組合加入して会社(村田建材)に団体交渉を申し入れると、同社は団体交渉を拒否すると同時に、別会社(経営者も所在地も同じ村田商事)に吸収合併されて廃業したと称して組合員を事実上解雇したことが発端だ。

 不当労働行為として組合が大阪府労委に申し立て証人尋問も行われ、19年6月には和解調査が予定されていた。ところが調査前日の6月19日、京都府警組織犯罪対策課が「正社員として雇用するよう不当に要求した疑い」などとして、組合役員と組合員ら5人、生コン業者団体の理事長ら2人を強要未遂と恐喝未遂容疑で逮捕した。労働事件に警察が突如介入して刑事事件にするという、ひときわ異様な事件である。

 12月12日、この事件で大阪府労働委員会は、会社の団交拒否など不当労働行為を認め、組合勝利の命令を発した。

 会社は、組合員は労働者ではなく「請負だ」として団交を拒否したのだが、府労委は、組合員が日雇い手帳を取得させられて就労していたことなどから、厚労省指針に基づき、組合員は労働組合法上の労働者だと明快に認定。団交拒否を不当労働行為とし、村田建材が村田商事に吸収された経緯や組合員の取扱いについて団体交渉を行え、と命じた。

 弾圧の不当性がまたひとつ証明されたことになる。

共謀罪先取りに警鐘

 大手メディアが全く報道せず、産経新聞記事や右翼のYouTube宣伝が悪影響し、市民にはこの弾圧の不当さ異様さはまだまだ伝わっていない。

 法学者78人の声明、地方議員124人の声明をはじめ危機感を持つ多くの人びとが、憲法28条の労働基本権保障の破壊、共謀罪の先取りに警鐘を鳴らしている。

 決して労働運動だけの問題ではない。すべての市民が関生支部支援に立ち上がろう。

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労働組合つぶしの大弾圧を許さない 元旦行動

◆1月1日(水)10時〜 
◆大阪城公園教育塔前広場

呼びかけ 労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会
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