「辞めろ、辞めろ、いーしはら!」−六月九日、都庁のある東京・新宿区内で石原都知事の辞任を求めるパラソル大行進が行われた。「三国人」「自衛隊の治安出動」発言にNOの声を上げ、日本人も外国人も手をとり合い助け合って生きていこうと取り組まれたもので、多くの外国人労働者も参加した。主催は、石原やめろネットワーク。
行進の先頭は、チャングやケンガリなど朝鮮の民俗楽器を打ち鳴らす農楽隊。「ISHIHARA NO!」のゼッケンを着けた外国人労働者らが続く。雨にもかかわらず参加者は約三百五十人にのぼり、「石原ヤメロ」「石原にNO!」などと書かれた色とりどりのカサをさし区内の公園から都庁をめざした。
外国人も若者も行動に
石原やめろネットワーク共同代表の一人、辛淑玉(シン・スゴ)さんは「選挙権がなく、日本語もうまくなく、何の権利もない人たちをたたくのはいじめです。地域のリーダーがいじめをやっている。一緒にすてきな東京にしていきましょう」と呼びかける。
若者の姿が多く、「慎ちゃん、辞めて」とテンポの良い掛け声も飛ぶ。元気な行進は、沿道の商店や道行く人から注目を集め、高校生からは「おまつりみたい」と声が上がった。
ともに生きる社会に
都庁到着後、広場で集会。共同代表の朴慶南(パク・キョンナム)さんは「私たちの声と怒りは石原に届いたと思う。さっそく辞職してもらいましょう」と訴え。同じく宮崎学さんは「今日を闘いの第一歩として、この輪をさらに広げ、九月三日の治安出動と断固闘っていこう」と呼びかけた。
参加の各団体も相次いで発言。「石原発言をきっかけに外国人労働者がいやがらせをされたり、『帰れ』の言葉を投げつけられるなどの被害が出ている。日本社会に沈殿していた排外意識を浮き上がらせた。人種差別禁止法・条例の制定を」(移住労働者と連帯する全国ネットワーク)「アジアや中南米など十四か国の外国人労働者を組織しているが、整理解雇の対象とされる人が増えている。多国籍企業のグローバルな展開と対決する国際連帯が必要。外国人労働者が一緒に生きていける社会をめざして闘っていく」(神奈川シティユニオン)とあいさつした。
七月十四日に大集会
また、五月二十九日に都知事あてに提出した公開質問状への回答について、交渉団は「都側は『知事はテレビなどで誠意をもって話している。それがすべて』との態度に終始した」と報告。参加者は庁舎に向かって「辞職しろ」「東京を差別の街にするな」と抗議の声をぶつけた。
石原やめろネットワークでは、七月十四日に大集会を開くことを呼びかけている。