2003年02月07日発行774号

【アフガン国際戦犯民衆法廷、第三回渋谷公聴会 ブッシュに加担した日本政府 韓国からも戦争犯罪告発】

 アフガニスタン国際戦犯民衆法廷の第三回公聴会が一月二十二日、東京・渋谷の司法試験などの指導校「伊藤塾」で開かれ、会場を満杯にする百六十人が参加。韓国から来日した二人を含め四人が証言した。


 会場は「法廷教室」。正面に法衣を着た二人の裁判官、左右の弁護人席に証人、中央にはブッシュのお面をかぶった被告人が座る。裁判官が日本語と英語、ハングルで開会を宣言した。

憲法違反の自衛隊派遣

 共同代表の前田朗・東京造形大学教授は「一月十八日、全米各地でイラク攻撃反対一斉行動が行われた。日本の運動も平和のための街頭行動に繰り出した。今公聴会は、自衛隊のアフガン空爆への協力の違憲性と、戦争協力のための国内法制度の軍事化が民衆に与える影響に着目する」とあいさつ。

「法廷教室」を」埋めた第3回公聴会の参加者
写真:会場のモニターに映し出された現地の写真を見る参加者

 伊藤塾の伊藤真塾長は「司法試験合格後を考え法律家を育成している。世界のことに関心を持ち、一人一人の人権を大切にすること。法律家は行動してこそ意味がある。ぜひ、一人一人が行動を起こしてほしい」と語った。

 アフガン戦争被害第四次調査団の高瀬晴久さんの報告(前号・大阪公聴会記事参照)に続き、弁護士の内田雅敏さんが「自衛隊のアフガン空爆協力の違法性」について証言。「周辺事態法は後方支援の名のもとに米軍支援ができるとし、集団的自衛権の行使を認めた。アフガン戦争時には海上自衛隊幕僚幹部がイージス艦やP3C対潜哨戒機のインド洋派遣を米側から要請するよう働きかけていた。憲法九条をどう拡大解釈しても、他国の戦争に日本が武力行使することは許されない。憲法を破壊する法の下克上を意味し、立憲主義否定のクーデターだ。イラク戦争では文字通り米軍と一体となった作戦行動をしようとしている」と強調した。

「悪の枢軸」の共犯者

 和光大学講師の清水雅彦さんは「アメリカの戦争支援のための有事法制」について証言。「日本独自の権益を保護・獲得するために、自衛隊をPKO派兵し、邦人救出のために自衛隊法を改定し、さらに今、有事法制を制定しようとしている。これは『周辺有事』や『グローバル有事』に備えた法制だ。国民保護法制の実態は戦争を円滑に行うための『国民統制法制』にすぎない。私たちに問われるのは、日本がアメリカとともに『悪の枢軸』として『南』の国から『殴り』ながら『奪い』続ける『共犯者』になるのか否かだ」と指摘した。二人の証言からブッシュの戦争犯罪に加担する日本政府の戦争協力が浮き彫りになった。

 証言の合間には若者が演じるブッシュが「世界の平和を脅かす奴は許さない。解決はアクションや」と吠えるパフォーマンスも。

 来日した韓国MBC(文化放送)記者の李容馬(イ・ヨンマ)さんは、昨年一月のアフガン現地取材について、MBCのメインニュースで四回にわたって放送したレポートをビデオで紹介。「米軍の爆撃は、アフガンの人々がこれまで全く経験したことがなかった大規模破壊戦だった」と証言した。駐韓米軍犯罪根絶運動本部幹事の高維京(コ・ユギョン)さんは「駐韓米軍犯罪の歴史と現況」について「米軍当局は国家安保の名のもと軍隊維持のため住民たちの暮らしを破壊し、安全を脅かしている」と訴え。二人はアフガンにとどまらない米軍の犯罪を厳しく告発した。

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