2003年05月16日発行788号

【始まったイラク復興ビジネス企業攻め 「人を殺して金儲け」 醜悪なグローバル資本主義を包囲しよう】

 「イラク復興支援」の名でぼろ儲けを図る企業を社会的に包囲しようと、五月二日、復興ビジネス関連企業要請行動が展開された(呼びかけはピースアクション)。企業側は受注を明言ないしチャンスがあれば参入する決意をのぞかせ、グローバル資本主義の醜悪な姿が明らかにされた。


社会的良識のない企業

 横浜市にある千代田化工建設。チェイニー米副大統領が最高経営者だったハリバートン社の子会社から副社長と取締役が派遣されている。ブッシュ大統領と関係の深い世界最大の石油会社エクソンモービルからも仕事を請け負っている。

千代田化工建設での要請行動(5月2日・横浜)
写真:イラクの子どもの写真を持ち交渉する代表者

 ピースアクションのメンバーたちは戦争で傷ついたイラクの子どもの写真を掲げ、復興人道支援室(ORHA)との関係をもたないこと、イラク占領・復興ビジネスに関与しないこと、を訴えた。

 対応に出た総務部長は「日本政府から(復興事業への)要請があれば断る理由がない。イラクの国民も復旧を望んでいるはず。ビジネスチャンスにたがをはめることは企業としてできない」と、国際法違反のイラク攻撃に口をつぐんだまま企業の活動は肯定する無神経さを示した。

 参加者は、「国の内外を問わず、すべての法律、国際ルールおよびその精神を遵守するとともに社会的良識をもって行動する」とした経団連企業行動憲章を示して、イラク戦争への評価を迫った。総務部長は「憲章はその通り。私たちも火事場泥棒的に、積極的にやろうというわけではない。社内にはイラク戦争反対の社員もいるが、法人としては賛成や反対を表明しないということだ」と、コメントを避けた。

 要請書については「企業活動を制限することには応じられない」と受け取りを拒否する一方、「現地は大変なことになっていると認識しているが、日本が軍隊を送って戦争したわけではないだろう」「マスコミから問い合わせの電話も入っている。あなた方は他にも要請してまわるのか」など、企業活動が社会的に批判されることを恐れる側面を見せた。

ベクテル日本支社にも抗議

 東京・丸の内にある米企業オーバーシーズ・ベクテルの日本支社に対しても、ORHAによるイラク復興事業への一切の関与の中止を求めた。

 べクテル社は石油コンビナートや発電所、ダム、空港、港湾などの建設を請け負う世界最大級の建設会社。火力・水力・原子力発電所の建設では、世界のビッグプロジェクトをほぼ独占している。シュルツ元社長がレーガン政権の国務長官を務めるなど共和党政権と深い癒着関係にある。イラク復興事業では、発電施設や水道、空港などのインフラ整備で総額六億八千万ドル(約八百十六億円)の受注が発表されている。

 応対した日本人社員は「要請があることを本社にメールで伝えたが、指示はない。要請は受けられない」。ほどなく奥からタッカー支社長が現れ、英語で「どうぞお引き取りください」と何度も繰り返す。「復興事業は公正な競争に勝って受注したのであり、イラクの人々を助けるためのもの。私たちはエンジニアリングと建設の仕事をしているだけで政治団体ではなく、ここではどうしようもない。サンフランシスコの本社に広報部門があるので、そこに行かれたらどうか」と本社の住所を告げるという逃げの姿勢に終始した。

 参加者の一人は「人を殺して金儲けしようという企業のあくどい姿を広く暴かなくては。アメリカの市民団体と協力し、本社に行くことも含めて企業攻めを強めたい」と対企業行動への意欲を語った。

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