2004年06月11日発行841号

【無防備平和都市条例・直接請求署名 61005筆を提出 世界初の無防備地域宣言へ 大阪市議会に制定求める】

 署名総数は61005筆。法定数も目標の5万も大きく超えた。大阪市に「無防備平和都市条例」の制定を求める直接請求署名は5月28日、大阪市の24全行政区の選挙管理委員会に提出された。大阪市の運動は、文字通り世界で初めて「無防備地域宣言」をする条例を大阪市議会で制定させる闘いに入った。(6面に関連記事)

各区の市選挙管理委員会に署名を手渡す(5月28日・大阪)
代表者から諸名簿の入った箱を提出

 北区選管への署名提出には、直接請求代表者全員が勢ぞろいした。

 沖縄読谷郷友会代表の平安名常徳さんが「感無量です。国の誤った施策から市民を守るのが地方自治体の役割。地方自治の精神を発揮してほしい」と口火を切ると、次々に代表者が署名の重みを訴えた。 カトリック司教の松浦悟郎さんは「市民がようやく知るようになった後半に一気に署名が増えた。市民がもっと知ったならば、ものすごい数になったはず。大事に扱ってほしい」、弁護士の太田隆徳さんは「主権者である市民が権利を行使したことがうれしい。それに応えるりっぱな条例を作ってほしい」。

 長崎ヒバクシャの山科和子さんは「両親も殺され一人生き残って長崎から大阪に戻ったとき、大阪駅からナンバの高島屋が見えた。一面の焼き野原で、浮浪児たちがたくさんいた。二度とそんな光景を見たくない。必死で署名を集めた気持ちを察してください」、おおさか市民ネットワークの藤永延代さんは「『私にもできることがある』と初めて署名集めをしたという人がいた。この運動はすばらしい運動です」、無防備地域宣言全国ネットワークの桝田俊介さんは「ローカルな町村も大都市も署名期間は同じ1か月間という地方自治法の不備を乗り越えて、大都市・大阪で6万筆が集まった意味を重く受け止めてほしい」。

 最後に、無防備地域宣言をめざす大阪市民の会事務局長の前田勝幸さんが「1筆の重みを大切にしてください」と述べ、マスコミも注目する中、北区分1051筆の署名簿を選管に手渡した。

全国へ成功を発信

 24区への署名提出を無事に終了した同日夕、「やったぞ6万筆 条例制定へGO!スタートの集い」が開かれた。

 事務局より、61005筆の数字の語呂合わせが、「無防備(6)一番(1)レッツ(00)ゴー(5)」と発表された。

 「署名運動では新たな出会いがあり、数々の感動があった。みんなの絆も深まった。今度はさらにイメージをふくらませて、条例制定をめざそう」と平安名さんがあいさつすると、参加者からはアイデアや行動方針が次々と出された。

 「私たちの強みは、権威ある国際法・ジュネーブ条約を背景にしていること。議員に対しては、この条例に反対することはジュネーブ条約に反対することだという論点を論点を作り出そう」

 「有事法制が国会を通ろうという事態の中で、この条例案は実にすばらしい。条例案を市民に分かりやすく説明する工夫が必要では」

 「全国・世界に発信しよう。国内外の学者や法律家に呼びかけて、条例案への賛同、条例採択要請の声を集めよう。『大阪市議会は日本国内にとどまらず、世界から注目を集めている』という機運を作り出そう」

 「街頭で集めた署名の割合が7割近いというのはすごいこと。街頭宣伝を継続しよう。署名をした人の思いをチラシに載せたり、若い人たちへのアピールも工夫しよう」

 「各区選出の議員事務所を訪問して、説明をして見解を聞こう。メールやFAXもどんどん送ろう」

7月下旬に臨時市議会

 署名簿提出を受けて、選管は「最長20日間の署名審査」と「一週間の縦覧」を予定している。縦覧後に署名簿が返送されて、7月初旬に本請求となる。市議会臨時議会は7月20〜30日の間に開かれる予定だ。

 市民の会では、6月19日に「条例実現へジャンプの集い」を開催。無防備地域宣言全国ネットワークも6月20日に「全国ネットの集い」を大阪で開催して、条例制定への正念場の闘いをサポートする。

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