2004年08月13日発行850号

イラク派兵国の民衆が「占領終結」へ共同行動 鍵は「レジスタンス連帯」

【イラク民衆の手で民主的社会】

イラク現地と派兵国の民衆が「占領終結」へ心を一つにしたフィナーレ(8月1日・東京)
写真:海外からの参加者と日本の参加者がステージに並びにこやかに互いの手をとり頭上へと差し出す。

 イラクをはじめアジア・欧米6か国12名の海外参加者とともにグローバル資本主義と闘う方針を論議した全交東京大会。参加者は、イラク市民レジスタンスと連帯し占領終結・占領軍撤退の国際連帯行動を広げること、無防備地域宣言を柱に地域から戦争体制づくりと闘うことへの確信を深めた。大会前日の7月30日には、反グローバリゼーション・東京アクションが展開され、イラク現地のコールを交えて、”占領軍撤退”の声を霞ヶ関に響かせた。


 「イラクレジスタンス連帯」を課題に掲げた全交二日目の分野別討議では、「反占領・占領軍撤退の9・26国際共同行動に取り組もう」「フィリピン、韓国、インドネシアでのICTI(イラク国際戦犯民衆法廷)公聴会を成功させよう」など13項目の行動方針について討議が行われた。

 提案された方針について、UUIのカシム・ハディさんが「レジスタンスの目的に、占領反対や平和・人権、主権回復とともに『自由・平等』の言葉も入れてほしい」、OWFIのヤナール・モハンメドさんも「女性の権利や政教分離にも言及が必要だ」と補強の意見を表明。

 海外代表も方針を補強する発言を活発に行った。米国からANSWERのカネイシャ・ミルズさんは「ケリーは、ブッシュとは路線が違うと言うが、占領の成功のため派兵の増強を主張している。私たちは、共和・民主両党の大会に向け抗議のデモに取り組む」と報告した。

宣言にこめた思い

 最も議論になったのは、「イラク市民レジスタンスとの連帯」をめぐって。

 カネイシャさんは「私たちは、イラクの人々がどのような形でレジスタンスをするかについて口出しする立場ではない。イラクの自決権を尊重するのであれば市民レジスタンスと限定すべきではない」と主張。イギリスSTWCのキャロル・ターナーさんは「個人的には市民レジスタンスを支持するが、自決権を尊重するとの表現が適切ではないか」と提起した。

 こうした意見に対し、ヤナールさんは「軍事的レジスタンスは、多くの市民の犠牲者を生み占領の口実となる。イスラム政治勢力がその支配をめざすためのものだ。イラク民衆の将来を平等で自由な社会とするためにも、市民レジスタンスという政治的平和的闘争が重要だ」と訴えた。

 全交は市民レジスタンス連帯を表明。MDSの佐藤和義さんも「さまざまな抵抗勢力があるが、平和で民主的な社会をめざし、またイラクの現実の要請に応える観点から、自決権尊重の上で市民レジスタンス連帯とすべき」と強調した。

 議論は宣言起草委員会の場でも継続され、最終的に「小異を捨てて大同につき、イラク占領終結へ一致できる点で共同の声明を」(キャロルさん)とまとめることに決定。イラク現地と派兵国の民衆が一日も早い占領軍撤退の思いを共有し、全参加者の「国際共同宣言」(3面参照)を発することとなった。

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