2004年11月10日発行862号

【自衛隊直ちに撤退を 香田証生さん殺害事件 撤退拒否した小泉に責任】

小泉首相に人命最優先を訴える(10月28日・首相官邸前)
写真:プラカードを掲げた人びとが大きな声で訴えている

 香田証生さんがイラクで武装グループにより殺害された。これは米軍のイラク占領に加わり、かたくなに自衛隊撤退を拒み続けている小泉政権の責任だ。

 拘束が明らかになった直後から市民らは救出に向けて様々な取り組みを開始した。東京では27日から連続3日間、首相官邸前行動が展開され、のべ800人の市民が駆けつけた。主催したワールド・ピース・ナウの高田健さんは「拘束されるや小泉は自衛隊は撤退しないと言った。交渉しようという気はまるでない。その後も成果を上げる動きを全くしていない。そもそも占領への加担が若者を事件に巻き込んだ。政府は一刻も早く救出せよ」と訴えた。前回、人質の救出に力を尽くした各団体からは「香田さんが自衛隊とは関係ないことを犯人に示すために政府への抗議集会や肉親の映像を持って、アルジャジーラ本社があるカタールへ飛んでいる」(ピースボート)など、さまざまな取り組みが報告された。

自衛隊撤退を要求

 香田さんの死亡が確認された31日、ワールド・ピース・ナウは「こうした事態を決して繰り返してはなりません。『殺すな、殺されるな』『イラクに平和を』の声を大きく広げなくてはなりません」「自衛隊をイラクから撤退させるよう強く要求する」との声明を発表した。

 来日中のイラク失業労働者組合のアソ・ジャバール海外代表は「私たちも救出のために記者会見したり各団体に情報提供を呼びかけたが、非常に残念だ。何の罪もない人を殺したり人質にとるのは許せない行為だ。彼らはテロリストであり、アメリカ占領軍はそれを口実に空爆を続けている。市民レジスタンス運動をさらに広げていかなくては」と語った。

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