イラクにおけるいわゆる選挙と言う大がかりな策略が数週間後になされようとしている。明白なことだが、この茶番劇の背後にあるアメリカとその同盟国の狙いは、イスラム主義と自民族中心主義のカイライ政府と国家を押しつけて、アメリカの対イラク戦争によって引き起こされた悲劇を続けることである。その狙いは、アメリカの計画を実行し、イラクと中東における恒常的な駐留に合法性の形を付け加え、イラク人民が選挙で選んだ政府を通じてアメリカ軍がイラクに駐留するように要請しているのだという主張に信憑性を与えることである。
この選挙過程を演出する策略には、どんな選挙を実施する場合にも必要な基本的な条件や基準が欠落している。この選挙は、民衆が強制や恐怖なしに自分の投票ができるために最低限必要な条件が存在しない状況の下で、実施されるのである。一方では、イスラム主義勢力と民族主義勢力の民兵がイラクの大部分を支配し、基本的な社会的政治的自由は存在せず、社会主義者や左翼の組織や政党が弾圧され活動が禁止されている。もう一方では、親米政党が社会と人民のあらゆる財源とメディアの発表の場を支配し、イラクにおけるアメリカの駐留に反対する反対政党や潮流は、メディアの発表の場を利用したり、大衆に語りかけるために国の財源を得ることは許されていない。宗教勢力と自民族中心主義勢力の民兵の蛮行は、破滅的な治安状況とテロリストの脅迫と並んで、大衆の前に彼らに代わる選択肢を選ぶ機会を残さなかった。イラクはアメリカとイスラム主義者のテロとの間の戦争における戦場になってしまい、イラク民衆はこれら二つのテロ勢力の間の交戦にさらされる犠牲者に絶えずなっている。選挙という策略はこのテロ戦争を深化させ継続させる一歩なのである。
イラク労働者共産党は、民衆がどんな強制も恐怖も感じることなくイラクのこれからの政治体制を選択することができるのに必要な状況を準備するために闘ってきた。アメリカとその同盟国がイラクの選挙の問題を提案したとき、イラク労働者共産党は、選挙結果が民衆の投票と政治選挙の真の表明をできるように、これらの選挙に自由で自覚的に参加できるような環境ができることが必要であると強調した。しかしながら、アメリカとそのイスラム主義、民族主義の同盟者は、民衆をだまし欺き、アメリカの反動的な計画に奉仕するために結果が事前に決定されているデッチ上げの選挙過程を押しつけることを望んだのである。今日では明らかなことだが、いわゆる選挙なる物は、イラクで展開している暗黒のシナリオの新たな一章となるだろう。選挙は宗教宗派や民族間の紛争が爆発する状況を準備し、イラク社会を解体する可能性を高めるだろう。
我々は、イラク民衆にこのデッチ上げの策略をボイコットし、挫折させその狙いを暴露するために闘うように呼びかけるが、我々は、全世界の自由を愛する人々に、イラク人民の立場に立ってこの策略と反動的な本質を暴くように呼びかける。そして、アメリカ軍を追い出し、イスラム政治勢力の影響力を抑え込み、市民社会を再建して民衆のパンと安全と自由を保障することができるように、人民の意志に基づく政教分離した民族主義的でない国家を建設することによって、現在の破滅的な状況を終わらせるために闘っているイラク人民を支援するように呼びかける。
私は、全世界の自由を愛する人々、社会主義者、進歩的団体、労働団体、政党、人権の擁護者に対して、イラク労働者共産党や自由を愛する人々の組織によって各国で組織される集会に参加するように訴える。イラク労働者共産党とイラクの解放戦線を政治的、物質的に支援していただくように訴える。
イラク労働者共産党議長
レブワール・アフマド
2005年1月
(訳はイラク市民レジスタンス連帯委員会)