2005年03月04日発行876号

【世界社会フォーラムに参加して 寄稿 鉄建公団訴訟原告・佐々木勉さん(函館闘争団) エネルギー充満、公正判決獲得を】

 第5回世界社会フォーラム(WSF)が1月26〜31日、ブラジルのポルトアレグレで開かれた。WSF反戦会議は3月19、20日のイラク占領終結世界共同行動を呼びかけている。鉄建公団訴訟原告を代表して参加した佐々木勉さん(函館闘争団)から報告を寄せてもらった。


世界社会フォーラム参加者に署名を呼びかける佐々木さん(ブラジル・ポルトアレグレ
写真:

 私にとって初めての海外旅行は、30時間を越える空の旅で始まりました。ATTAC Japanのメンバーなど19名の同行者がいたのが唯一の心の支えで、2月4日に帰国しました。

 5回目のWSFは、全世界135か国から15万5千人が参加。毎日、大・中・小を問わず多くの会議が開かれ、会場にあふれるばかりの人たちが熱心に問題提起や討論を繰り広げました。政府・資本家に衣食住の権利や生活、労働力を奪われ、貧困と差別と闘っている各国の参加者が、本音の議論をして社会を変えようと訴えていました。

 イラク戦争反対はもとよりインドネシア沖地震に対して財政支援を含めてどう行動していくかも真剣に議論されています。老若男女、人種・国籍を問わずいろいろな方々が参加している姿に感動。闘うエネルギーが私の体の中に充満した行動でした。

 私の参加の目的は、国鉄解雇問題を世界各国の人たちに訴え、日本政府や裁判所に解決を迫るためのハガキ・署名を集めることでした。私自身が英語やポルトガル語を話せず、正直に言って一人一人に内容を話し理解してもらう仕事は大変苦労しました。

身ぶり手ぶりで署名

 私一人でも訴えられるように、段ボール紙に英語とポルトガル語で要請文を書いた看板を作りました。身ぶり手ぶりで話しても分かり合えるところはある。署名は250筆集めました。私としては少なかったと思っています。しかし、アジア民衆・社会運動体会議などの会議で通訳を通して、私たちの闘いや参加した意義を訴えることができました。また、韓国労働者と交流し情報交換ができました。

 初日の10万人が取り組んだイラク戦争反対のオープニング・デモ行進や日韓連帯デモ行進では、黄色のゼッケンに赤い桃太郎旗を掲げて歩きました。地元ブラジルや韓国のテレビ局からインタビューを受け、写真を撮らせてくれと言われるなど、反響がありました。日本では先輩労働者が築き上げてきた権利などが急激に崩壊しているのに、このような抗議デモ等が少なくなっていることに寂しさも感じました。

 資本家がめざす新自由主義グローバリゼーションに対抗して、「もう一つの世界を可能」にするための社会フォーラムの意義は大きい。私たち労働者の自由と権利がなくなり、貧困と差別がまかり通ることを許してはおけません。

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