2005年06月03日発行889号

【信頼を築く戦後補償実現 「『反日』をどう考えるか」公開討論会】

 小泉首相の靖国参拝や日本の国連常任理事国入りの動きに、中国や韓国で相次いだ抗議デモ。アジアの人々は日本の侵略・植民地支配を忘れない。5月12日、都内で公開討論会「韓国・中国の『反日』をどう考えるか」が開かれた。

発言する中国人留学生の張剣波さん(5月12日・東京)
写真:公開討論会で発言

 公開討論会は、強制連行・強制労働への戦後補償実現をめざす日本製鉄元徴用工裁判を支援する会が呼びかけたもの。日本に暮らす中国人・韓国人も参加し、日中韓の真の友好を切り開くための積極的な意見が寄せられた。

 「身内の誰かに必ず、日本の侵略戦争で被害を受けた人がいる」と語る中国人留学生の張剣波さん。「それが死傷者3500万人という被害の大きさだ。語り継がれ、日本に対する中国人の感情の根底にある。中国人は靖国参拝や教科書問題で戦争のイメージを思い出し、怒る」と指摘する。

互いの理解深まる

 韓国人大学教員のチョン・クンジュさんは「前回2001年の教科書問題で韓日市民の連帯と交流は目ざましく、互いの理解が深まった」と振り返り、今年の不採択運動での日韓連帯に期待を込める。

 独島(竹島)問題は「韓国人に植民地支配を思い出させる敏感な問題だ」と言う。韓国人の抗議は「反日」教育のためとする日本の一部の主張には、「受けたのはむしろ反共教育。教室には『滅共』の文字が掲げられ、北朝鮮の人の頭に角をはやすといった反共ポスターをよく描かされた」と、その的外れぶりを指摘した。

 今後のアジアと日本の関係について二人の言葉は重なり合う。「過去に向き合い、過去を清算することで信頼関係を築くことができる。日本には戦後補償に取り組む人々がおり、希望がある」(張さん)「人と人とが交流する以外に今の厳しい関係を解決する方法は見つからない」(チョンさん)と民衆同士の連帯を強調した。

 この日開かれた口頭弁論のため来日した日鉄裁判原告のイ・サングさんも発言した。「日本首脳部の謝罪を素直に受け入れられないのは、謝罪後も靖国参拝を続け、平和憲法を無力化する動きを露骨に見せているからだ。日本が過去の問題に心から対応すれば、韓国や中国で『反日』感情が生ずるはずがない」と、日本政府の戦争国家づくりの姿勢を批判した。

 戦後補償を実現し、戦争国家づくりを止めること。それがアジアの人々との間に信頼を築くキーワードだ。

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