2005年08月05日発行898号

【ネットワーク結成 日韓共同の取り組み 強制動員真相究明へ】

 韓国で昨年11月、「日帝強占下強制動員被害真相糾明委員会」が設立され、強制動員の被害申告や真相究明調査が始まっている。この活動に応え7月18日、都内で「強制動員真相究明ネットワーク」結成総会が開かれた。

 韓国から迎えた真相糾明委員会事務局長のチェ・ボンテさんと太平洋戦争被害者補償推進協議会共同代表のイ・ヒジャさんをはじめ、北海道から沖縄まで約130人が駆けつけた。

記念講演をする山田昭次さん(7月18日・東京)
写真:参加者を前に演壇で講演

 立教大名誉教授の山田昭次さんは記念講演で「朝鮮との現在の問題は拉致問題で、朝鮮人の強制連行は過去の問題との見方があるが、連行された本人および遺族は戦後も長い間、苦しみとともに過ごされ、決して過去の問題などではない」と強調した。

 チェさんは「特別法は韓国の被害者の闘いの力によって制定され、真相糾明委員会が設立された。被害者の努力を実りあるものにするために、韓日の平和を愛する人たちが力を合わせましょう」と呼びかけ。

 イさんは「韓国には強制連行の被害者本人・遺族が多数いるが、証拠となる名簿がない。ネットワーク、韓国の委員会、そして被害者の3者が一つになって被害の事実を示す証拠を捜し出す必要がある」。

政府は資料公開を

 準備委員会から設立の趣旨、会則(案)、構成(人事など)が提案されたのち、参加者の拍手でネットワーク結成が確認された。共同代表となった「日本の戦争責任資料センター」の上杉聡さんは「韓国では20万人が被害申請を行ったが、その7割の人には裏付けがない。日本政府に手持ちの資料を公開させよう。そのために国会と結びついた市民の運動が必要だ」と国会への働きかけなどを訴えた。

 共同代表はほかに神戸青年学生センターの飛田雄一さん、恵泉女学園大学の内海愛子さん。当面は、韓国・真相糾明委員会が日本で行う調査・遺骨収集活動を支援する。

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