2005年10月21日発行908号

【「君が代」と地域から闘う 大阪・枚方に不起立処分・中島さん招く】

 10月10日、大阪府枚方市で「『君が代』不起立処分と闘う東京都府中市第二小学校・中島先生を囲む会」(主催・Dサポーターズ‐教育の自由を取り戻す会)が開催された。この集いは、「不起立記載削除裁判」を闘う同市の教員である福山昌也さんと堤卓雄さんの闘いを地域に広げていこうと開催されたもの。Dサポーターズはこの裁判を支援する会。

 中島暁さんは、今年3月25日、東京都府中市立第二小学校卒業式の「君が代」斉唱の際に着席していたことを理由に、東京都教育委員会から戒告処分を受けた。中島さんは、この処分撤回に向け「思いは同じ大半の教職員とともに、二度と再び誰に対しても処分などさせない状態を創り出すために、あたりまえの教育を多くの市民とともにつくる」と決意し、地域で闘いを広げている。

東京の中島さん招き交流(10月10日)
写真:東京の中島さん招き交流(10月10日)

 6月には、「君が代」処分を撤回させる会準備会がスタート。7月には、「中島先生の話を聞く会」を2回開催。参加を幅広く地域に呼びかけるために5千枚のビラを地域に配布した。ビラ配布後、教え子から「母ちゃん心配しているよ、あんなことやっていいの?」という反応もあったという。中島さんは、父母と市民が一緒になってやっていくことが重要だという。

狙いは子どもたち

 中島さんが特に強調したのは、「日の丸」「君が代」攻撃の狙いがどこにあるのかという点だ。「強制に反対することはもちろんだが、どういう狙いがあるのかを考えないといけない。『日の丸』『君が代』を強制しようとしている狙いは、子どもたち。このことを押えておかないといけない」ことを強調した。

 今年2月15日、大阪地裁に提訴した「不起立記載削除裁判」。福山さんと堤さんは、(入学式での)「君が代」斉唱時の不起立を理由に市教委から事情聴取を受けた。市教委の調査文書に記載されたことは、憲法で禁止されている、個人の思想・信条の侵害にあたるとして、記載の削除と慰謝料を求めている。9月20日には第4回口頭弁論が行なわれ、教育の場の自由を守ろうと、地域・父母に支援の輪を広げていくことが求められている。

 中島さんとの交流後、会では方針を論議し、(1)校区をはじめ、保護者・市民に闘いを広げること(2)当該の思いを聞いてもらうミニ集会を開く(3)共感を広げ、保護者・市民・教職員で市教委交渉に着手するなど、物言わぬ教員作りに対抗する闘いを地域で広げていくことを確認した。

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