首都圏で展開されている無防備地域条例直接請求運動。千葉・市川市は4月17日、法定数を大きく上回る1万2128筆を集めて1か月にわたる署名活動を終えた。4月8日に始まった東京・日野市は17日現在法定数2800筆の6割を達成。4月22日からは東京・国立市で署名がスタートする。
「また届いた」1か月間の満足感
1か月間の疲れもふきとぶカウントダウンの集い(4月17日・市川)
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3月18日にスタートした千葉・市川市の無防備条例制定を求める直接請求署名。最終日の4月17日、平和・無防備条例をめざす市川の会は市役所に近いJR総武線本八幡駅前でカウントダウンの集いを開いた。
「あなたの署名で市川に平和条例を」。駅前広場の一画に、署名集めで活躍した手作りの横断幕が何枚も並ぶ。集いの最中にも、道行く人に署名が呼びかけられた。歩みを止め応える市民の姿が続いた。
集いが始まる時点で掲げられた署名数は11990筆。それが経過とともに、「30筆が届きました」「また54筆が届きました」と増え続け、最終的に12128筆という数字にふくらんだ。
最初のあいさつは市議の小泉昇さん。「議会運営委員会が開かれ、6月の議会で取り上げられることがはっきりした。これを機会に平和の問題を一緒に広げていこう」と、今後の議会内外の連携を呼びかけた。
市民ネットワーク千葉県の吉沢弘志さんは「この千葉の富浦町で『国民保護』の名の下、小学生が訓練に動員されるという突出した事態が起こっている。そうした中、市川の署名の成功は大変大きな意味を持つ。ネットとして感謝する」と喜びの声を寄せた。
国立平和と市条例制定をめざす会が主催した学習会(4月16日)
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地元市民団体や品川の会、全国ネットワークからのアピールに続き、請求代表者で連日署名集めに奮闘した立花一晃さんは「最も印象的だったのは、平和という言葉を言いだしただけで、60代のご婦人方が真っ先に協力してくれたこと。わずかでも戦争の体験があるからでしょう。憲法9条を守る運動とあいまってこの取り組みが重要な働きをすると確信している」と、やりきった喜びを言葉に込めた。同じく伊藤精史さんはこの日だけで100筆を集めた。「本当に署名集めが上手になりました」と1か月の署名活動をやり終えた満足感をにじませた。
次のステップは議会への働きかけ
まとめは市川の会事務局長の田口雅明さん。「署名は平和を願う市民の心が結集したもので、私たちは市民から大きな負託を受けた。この市川から平和な地域をつくっていくために、今後は議会への働きかけに全力を注ぐ。条例化に向け様々なアイデアを寄せてほしい」と、次のステップへ意欲をみなぎらせた。
最後は全員で『ウィ・シャル・オーバーカム』を合唱し、喜び合った。
署名の提出は4月22日。その後、6月議会での条例化をめざし全議員への働きかけ、5月中旬のシンポジウム開催などを計画している。
4月22日が国立市のスタート
署名開始を1週間後に控えた国立市では4月16日、国立市平和都市条例制定をめざす会主催で学習会・意見交換が行われた。インターネットで知って参加したという東村山市や千葉県我孫子市の市民を含め約30人が集った。
呼びかけ人の一人、中川英明さん(元国連機関職員)が条例案を提案。現在の国立市平和都市宣言を具体化し、無防備4条件とともに市の責務として「戦争に関する事務を行わない」「既存の軍事施設の撤去・廃止が実現するよう努力する」などと明記されている。中川さんは「戦争が起きてからではなく、普段から条件を満たすような街づくりこそが重要」と説明した。非戦のまち・くにたちの会の北原久嗣さんは「議会の構成を見れば条例化は難しいが、岩国の住民投票が示したように、市民の中に署名が広がっていけば議員も考えざるを得ないはずだ」と訴えた。