2006年05月26日発行936号

【法定数の2倍超える署名 憲法を現実化する無防備署名】

法定数の2倍を声笑顔が広がる(5月7日・日野市)
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感動の1か月間

 東京・日野市の無防備条例の直接請求署名運動は法定数(2814筆)の2倍を超えて5月7日に終了した。署名は12日に提出され、今後は6月下旬以降に予想される議会での条例成立をめざして議員との懇談を広げていく。

最終日まで続く反響

 署名最終日は、雨が降りしきる悪条件となった。その中でも「今まで署名する機会がなくて気にかかっていました」と歩み寄る市民、すでに署名した女性が「息子に話して今日投函すれば間に合いますね」と署名用紙を持ち帰るなど反響は続いた。

 夕方に開かれた集約集会には市民ら30人が集まった。東京造形大学前田朗教授が講演。「現在、9条守れの言葉は『せめて条文だけは残せ』という意味になってしまっている。ここまで追い込まれた状況を変えるためにも、地域を憲法が現実化する場所にする無防備運動が重要」と改めて意義を強調した。

 集会開始時点で5047筆と掲げられた署名は市民が次署名を持ち込むたびに刻々書き換えられ、請求代表者の一人古荘斗糸子さんがあいさつしたときには5300を超える。「あっという間に過ぎた感動の1か月だった。私の手元にも知人らから返ってきた署名がまだ300あります」と弾む声に「2倍を超えた」と拍手がわいた。

集約集会で講演する前田朗教授
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三多摩地域で広げよう

 請求代表者の発言が続く。名取美佐子さんは「無防備運動は地域で平和の声をあげる大きな力になりました。憲法改悪を問う街頭でのシール投票は85%が反対。マスコミに左右されず広げていくことが大事ですね」。

 日野市議会は3月に国民保護協議会設置条例を採択した。鷲尾由紀太さんは「戦争を想定して自衛隊と一緒に逃げるのか、武器を持たずに無防備を宣言するのか、どちらが市民の命を守るのかと問いたい」と議会での実質審議への意欲を語った。

 署名が始まってから無防備運動を知ったという市民も相次いで発言。「今ごろになって知ったと悔しいくらい。誰かが、ではなくそれぞれが平和を築く運動ですね」「署名用紙1枚10筆なら集められる、と申し出たのがきっかけでした。今では25枚まで増えてます。明日から一生懸命回収しなくては」

 4月22日から署名を取り組んでいる国立市平和都市条例制定をめざす会の家坂平人代表は「この数字は皆さんの平和への熱い思いが達成したものだ。皆さんに続き国立市の署名を成功させ、ともに三多摩地域でこの運動を盛り上げたい」と言葉をかけた。

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