2006年12月22日発行966号

【『まんが無防備マンが行く!』出版記念パーティー / 市民の情熱が平和をつくる】

中央の女性が作者のあきもとゆみこさん
写真:

 無防備地域宣言運動を紹介したマンガ『無防備マンが行く!』(同時代社 / 定価1000円)の出版記念パーティーが12月11日、大阪市内で開かれた。各地で無防備地域条例制定に向けた直接請求署名に取り組んだ人々や著者のあきもとゆみこさんの似顔絵教室関係者など約70人がお祝いにかけつけた。

 開会のあいさつで、無防備全国ネットの共同代表であり、無防備地域宣言の理論的な柱となっている澤野義一さん(大阪経済法科大学教授)は「このマンガ本は、無防備地域宣言に関するポイントがおさえられ、一般の人にもわかりやすいものだ」と紹介し、「事実上の憲法『改正』に等しい教育基本法改悪が強行されようとする状況の中で出版された意味は大きい」と評価した。

 あきもとさんは、本書の出版に先がけブログ上で無防備マンを登場させていた。ところが、戦争非協力を正面から掲げる市民運動の拡大を嫌悪する好戦的な人々から誹謗・中傷が集中した。そうした妨害を跳ねのけ本書の出版が実現したのは、全国的な運動の広がりが大きな力となっている。

 大阪市から始まり、2年半の間に19の自治体で無防備地域宣言条例化に向けた署名が取り組まれた。署名者の数は合計で30万人にもなる。

 編集者の高井隆さんは「戦争は悪いと普通にいえない状況がある。貴重な本だと思う。出版から1か月。学校の先生からも生徒に読ませたいと多くの反響がある」と手ごたえを紹介した。

 あきもとさんは最後に「大阪市民の会の署名活動をしている姿に感動したところからはじまった。戦争反対しか平和運動はできないのかと思っていたが、この署名活動に出会い、市民が平和を作り出す運動だと思った。この本は大阪市民の会の情熱のたまもの」とお礼のあいさつ。

 現在、大阪府箕面市で署名活動が行われている。来年には京都府宇治市などが署名に取り組む。この本が再版を重ね、運動がさらに広がることを期待させる会だった。

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS