2007年04月06日発行980号

【市民に開かれた議会をめざして 品川区議選に挑む 山本よし子さん 草の根の闘いに連帯】

 住民の生活と安全を守る存在であるべき地方自治体・議会が役割を全く果たそうとしていない。東京・品川区でもその閉鎖性に市民が声を上げはじめている。

 3月18日、区政変革をめざす山本よし子さんを囲んで、集会「市民に開かれた議会をめざして!」が開かれた。

 講演したのは東京・武蔵村山市で長年にわたり市民派議員として活躍した地方議会評論家のふくおひろしさん。現在品川区に住み、議員引退後も民主的な議会の実現にむけて様々な提言を行っている。

 ふくおさんは品川区議会の閉鎖性をこう批判する。「地方自治法には会議公開の原則が定められている。ところが、品川区議会の5常任委員会はすべて同じ日の同じ時間に開催される。これで区民の傍聴する権利が守られていると言えるのか。案件によっては委員会でも本会議でも質疑が一つも出ないことすらある。区長提出の案を承認する単なる儀式に過ぎない。議会は行政の下請け機関ではない。私たちはもっと自分たちの権利を使って議会を監視していかなくては」

市民と力を合わせ

 7月に行われる参院選に東京選挙区から無所属で立候補を予定している川田龍平さんが激励にかけつけた。川田さんは、国と製薬会社を相手に薬害エイズ訴訟の原告として19歳の時に実名を公表して闘い、勝利和解を勝ち取っている。「勝利の力となったのは、若者たちが自分の意思で立ち上がり厚生省を取り囲んだ3500人のヒューマンチェーン。世論を広げれば勝てる」とあいさつ。そして自らの決意を語った。「厚生官僚の天下り先は今も製薬会社で、官僚と企業、政治家の癒着はさらに強まっている。今の日本は会社の利益が最優先される社会だ。JR西日本の福知山線事故、北陸電力の志賀原発事故隠しなど一人一人の命と生活は後回し。新憲法はさらにこれを推し進める。現憲法に現実を近づける努力をしたい。無所属で立候補しようとしている人たちが各地にたくさんいる。多くの人と力を合わせれば、私にもできると思う」

 参加した市民からは非民主的な議会運営に批判の声が上がった。「学校の移転や統廃合が地域に相談なしに進められている。どんな意見を言っても何の回答もない。地域のことを真剣に考えているとは思えない」。無防備地域宣言運動を取り組んだ市民は「一日休みを取って傍聴に行っても議事日程を5分で決めてその日は終わり。せめて夜開くとか、市民の生活を考えた運営ができないものか」。

 解雇撤回の闘いを進めている鉄建公団訴訟原告の名寄闘争団・橋政幸さんも参加し、ともに闘う決意を語った。「今日の格差社会の始まりは国鉄の分割民営化にある。私はこの時期に何とか解決を勝ち取りたいと東京での行動に集中するため上京した。人の苦しみ、痛みのわかる人こそが政治を動かしていかなくては。そのために地域から社会を変えようとする、みなさんの草の根の闘いに連帯していきたい」

地域での広がり

 最後に山本よし子さんがしめくくりのあいさつを行った。

 「今日は駅頭で出会った方が参加してくれるなど、地域での語りかけに着実に反響が広がっている。勇気を持って闘いを開いてきた川田さんの国会を変える闘いと一緒に、議会の民主化に向けて進んでいきたい」

 参加者は駅頭での演説会へ。川田さんと山本さんがそろっての演説に足を止める市民の姿が目立った。

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