2007年08月03日発行996号

【靖国訴訟勝利に向け交流 韓国の平和ツアー団が全交に参加】

 この夏、韓国の平和ツアー団が日本を訪れる。8月4〜5日には都内で開かれる全交大会に参加。5日の分野別討議「ノー!ハプサ(合祀)靖国訴訟(韓国人靖国合祀取消訴訟)の勝利を」で日韓の交流が行われる。


 ツアーは「日本・平和の旅」と呼ばれ、韓国の民族問題研究所や青少年団体が主催する。目的として(1)歴史の現場を訪ね、第2次世界大戦の惨状を追体験(2)日本の市民団体や平和運動団体と交流(3)靖国神社とその付属施設「遊就館」の訪問を通じ、日本社会の歴史歪曲の実態を見る(4)在日コリアンの生活の現場を訪ね、在日社会と交流、などを掲げている。

 参加者は市民や学生ら約70人。8月1日、関釜フェリーで下関に入り、8月7日まで長崎、大阪、京都そして東京と各地をめぐる。

 長崎の訪問先は朝鮮人被爆者への支援活動に取り組んできた岡まさはるさんの記念資料館や平和公園。大阪では民族学級・学校を訪れる。京都では立命館大学の学生と交流するとともに、在日が暮らすウトロ地区を見学する。そして、東京では靖国神社を訪問し、全交大会に合流する。

日韓連帯の場に

 ツアーには、太平洋戦争被害者補償推進協議会共同代表で、2月に提訴されたノー!ハプサ靖国訴訟の原告であるイ・ヒジャさんが同行する。

 靖国問題をめぐっては昨年8月、小泉首相(当時)の靖国参拝に反対し、韓国・台湾・日本の市民約千人が東京で「YASUKUNI NO」キャンドル行動を展開。韓国ソウルでも、多数の市民団体による日本大使館近くでの抗議集会など約3千人の市民が行動した。

 ツアー参加者は、イ・ヒジャさんが合祀取消訴訟に立ち上がった経緯などを知ることで、靖国問題への理解を深める計画だ。

 全交大会の分野別討議「ノー!ハプサ靖国訴訟の勝利を」には、イさんと同じく原告のナ・ギョンニムさん、昨年のキャンドル行動を準備した太平洋戦争被害者補償推進協議会事務局長のキム・ウンシクさんらが参加。靖国問題の解決、訴訟勝利への日韓連帯の場となる。

 日本でこの訴訟を支援する団体「ノー!ハプサ」事務局長の山本直好さんは「歴史の問題は日本だけでも韓国だけでも解決できない。共同で乗り越えていこうという時に解決が見えてくる。靖国問題は韓国でも知られるようになってきた。日本と韓国、そして日本とアジアとの間で歴史問題を共に乗り越える方向性を交流したい」と期待する。

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