2020年01月24日 1609号

【1609号主張 世界はイラン戦争ノー 自衛隊中東派遣は中止だ】

武力行使のための派兵

 1月10日、河野防衛相は、海上自衛隊の護衛艦1隻とP3C哨戒機2機を中東に派遣する命令を発した。翌11日、沖縄の那覇航空基地からP3C哨戒機部隊が出発。2月2日には、護衛艦「たかなみ」が横須賀海自基地から出港する。

 派兵の狙いは、海外における自衛隊の武力行使だ。中東に派遣された自衛隊は、「日本関係船舶の航行の安全」を確保するため情報収集を行うとされている。だが、得られた情報は米国などと共有され、また、バーレーンの米海軍第5艦隊司令部に連絡要員が派遣される。事実上の共同作戦行動だ。今回の自衛隊派遣の名目は防衛省設置法に基づく「調査・研究」だ。しかし、現地で日本関係の船舶が攻撃を受けるなどした場合、武力行使が可能な海上警備行動へと切り替わる。

 現在の緊迫した状況の下、戦闘部隊の派遣自体が挑発的な軍事行動であり、一層緊張を高めるものだ。

戦争挑発を許さない

 中東全域でかつてない軍事緊張が続いている。

 1月3日、イラン司令官が米軍の空爆により殺害された。米軍の行動は侵略行為であり、国際法違反は明白だ。米軍の攻撃を受けイランは8日、イラク国内の米軍基地にミサイル数十発を撃ち込み、戦争の危機は一気に高まった。

 世界の反戦平和勢力は、戦争・武力行使ノーと声を上げた。1月9日にはイラン戦争に反対するデモがワシントン、ニューヨークなど全米370か所で行われた。イギリスのストップ戦争連合も米軍の行動は「イラク、イランに対する侵略行為であり、中東全域の大きな紛争の可能性を著しく高めた」として4、11日に緊急デモを展開した。イラク労働者共産党は8日の声明で戦争は中東の民衆蜂起を鎮圧するものと批判。「戦争が燃え上がれば、労働者や社会の恵まれない人たちがその代償を払うことになる。イラクの我々は全世界の勢力と結束し、一つの解放戦線として戦争に反対しよう」と訴えた。

 戦争ノーの声の前にトランプは10日、即時の報復攻撃には出なかったが、経済制裁強化を発表。中東への3千人増派も決定済みだ。

 執拗な戦争策動に、米反戦団体のANSWER連合や平和と正義のための連合、米国反戦労働者の会などは、1月25日「全世界抗議行動デー」を呼びかけている。

世界反戦行動デーへ

 自衛隊中東派兵は即刻中止すべきだ。あらゆる戦争挑発を許さず、米国にイラン核合意復帰、経済制裁解除を求め、各国に外交努力をさせなければならない。

 日本でも1月8日戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の緊急行動をはじめ各地で行動が展開された。世界の平和勢力とともに1月25〜26日反戦行動デーに全国で行動に取り組もう。

   (1月12日)
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