2020年01月31日 1610号

【阪神淡路大震災25周年/追悼・連帯・抗議の集い 一人の被災者も取り残さない】

 「大地震は数十秒だったが震災は今なお続いている。しかもそのほとんどが人為的な災害だ」。大地震から25周年の1月17日、神戸市役所前で被災者と支援者が「追悼・連帯・抗議の集い」を開いた。追悼とともに人災を押しつける行政に抗議の声をぶつける集いだ。

 とりわけ怒りが集中したのが借上げ復興住宅からの被災者の追い出しだ。「契約期間20年」の適用は各自治体に任されていて、宝塚市などは全世帯が住み続けられている。しかし、神戸市は退去できない被災者9世帯を訴え、市長が市民を被告席に座らせている。

 この集いを継続し「被災者追い出し裁判」を担う運動は、「一人の被災者も取り残さない」「神戸からよき前例を」目標に、被災者をど真ん中に積み重ねてきたものだ。重要なのは復興施策が市民生活に資するかどうか。災害後の生活再建は個々人の努力では限りがあり、そこに行政の力が絶対に必要だ。

 具体的な保障を獲得する闘いはますます重要になる。

(ZENKO枚方・佐藤謙司)

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