2020年02月07日 1611号

【1611号主張 国際連帯の力で 中東派兵中止、即時撤退】

挑発的な軍事行動

 1月21日、海上自衛隊P3C対潜哨戒機2機がアフリカ北東部・ジブチの自衛隊基地を拠点に軍事活動を開始した。2月2日には、護衛艦「たかなみ」が海自横須賀基地から出港する。

 この派兵の狙いは、自衛隊による海外での武力行使だ。政府は派遣部隊の活動領域にホルムズ海峡は含まれないと言うが、補給基地となるアラブ首長国連邦・フジャイラ港からホルムズ海峡は目と鼻の先だ。2月下旬には、そこに派遣部隊260人とジブチ基地をあわせて護衛艦2隻、哨戒機2機による総勢590人規模の戦闘部隊が展開する。こうした派兵自体が挑発的な軍事行動であり、緊張をいっそう激化させることになる。

 政府自身が「現時点で日本関係船舶の防護の実施は必要ない」と明言しているにもかかわらず派兵し、緊張を高めたあげく、「不測の事態」になれば武力行使可能な海上警備行動を発令する。海外での武力行使を狙う憲法違反の派兵は断じて許してはならない。

権益競争のための派兵

 日本が軍事活動を開始した1月21日、文在寅(ムンジェイン)政権はホルムズ海峡への独自派兵を決定した。韓国では「ベトナム戦争以来56年ぶりの戦闘部隊の紛争地投入」と報じられた。「(日本の派兵で)政府も決定を先送りにするわけにはいかなかった」(韓国軍関係者)と言われるように、文政権の派兵決定は安倍の強引な派兵が引き金となった。

 韓国の国防費は50兆ウォン(約5兆円)を超え5年後には日本を上回る勢いで軍拡に突き進んでいる。韓国政府は緊張を高めることを承知で派兵し、韓国資本の権益確保をめざす。中東・アフリカ地域で軍事的存在感を強め、「最後の市場」と言われるアフリカで直接投資を増加させる中国などと対抗し、権益を拡大しようとしている。

 軍隊はグローバル資本の利益を守るために存在する。自衛隊、韓国軍の中東派遣はそのためのものだ。

民衆の声が戦争止める

 1月25日、米国の反戦団体ANSWER連合などが呼びかけ、イラン戦争NO!世界抗議デーが取り組まれた。全米100か所以上、世界12か国以上で抗議行動が行なわれた。日本でも各地でデモや集会などの行動で合流。韓国では、派兵に反対する89団体がソウルで抗議行動(1/22)を行なっている。世界の民衆の闘いが戦争を止める。

 自衛隊と韓国軍の中東派遣は、イラン戦争の危機をさらにあおる戦争挑発だ。世界そして日韓民衆の国際連帯で、中東派兵を中止させ、全外国軍を撤退させよう。戦争挑発を許さず、米国にイラン核合意復帰、経済制裁解除を求めよう。イラン戦争NOの声を広げ、各地で行動に取り組もう。

   (1月27日)
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