2020年02月07日 1611号

【済州第2空港反対の闘い/住民無視は許さない】

 済州(チェジュ)第2空港建設に反対する闘いは、年明けも続いている。現空港の能力不足を理由とした第2空港建設だが、ここには空軍の南部探索救助部隊を配備する計画があり、軍事基地とする狙いがある。

 そもそも済州島に2つの空港は必要ない。現空港拡張が最適であるとの報告書を隠蔽し、強行しているのだ。その上、国土部が環境部に提出した「戦略環境影響評価書」は非常にずさんなものであった。

ハンスト闘争が続く

 ノ・ミンギュさんの環境部前ハンスト(昨年10/18〜11/2)に続き、パク・チャンシクさんがソウル光化門(クァンファムン)前で(10/31〜11/14)、空港計画地に住むキム・ギョンベさんも環境部前でのハンスト(12/11〜12/21)を敢行した。

 ノさんのハンスト中に、環境部は国土部に対して、環境影響評価書への補完要求(春の渡り鳥調査。渡り鳥の到来地、航空機との衝突問題、住民騒音被害対策問題など)を出したが、キムさんはそれでは不十分だと追及した。12月21日、ついに環境部長官がハンスト現場を訪れ、さらに項目を追加した補完要求を出すことを約束した。

 キムさんは約束の履行を求め、今年1月12日から連日、環境部のロビーへ「出勤闘争」を始めた。闘争3日目、通りかかった環境部長官に対して、長官の随行員2人に制止されながらも訴えた。5日目には、環境部の室長との面談が実現したが、環境部が全く動いていないことが明らかになった。8日目にはキムさんを入場禁止にし、9日目には不当逮捕に踏み切った(翌日釈放)。キムさんの追及が、環境部を追いつめている証拠である。

 2018年12月から始まった済州道庁前での座り込み闘争は19年末、済州道議会を動かした。議会内に「第2空港の対立解消に向けた特別委員会」が設置されることになった。特別委員会での議論が終了するまで空港関連予算(住民対策・インフラ調査など)を執行しないことも確認された。

 国会においては空港関連予算が通過したものの、国防部の南部探索救助部隊の関連予算は削減された。

 世論調査(1/17〜1/18)では、56%が第2空港建設に反対しているが、利権にまみれたウォン・ヒリョン済州道知事は推進姿勢を変えていない。道議会の特別委員会も「対立解消に向けた」ものであり、反対意見がどこまで反映されるかは不透明だ。

 済州道では多くの反対の声を抑え込み、カンジョン海軍基地建設が強行された。これ以上、住民を無視した環境破壊と軍事基地化を許さないと闘いは続いている。

(ZENKO兵庫・松谷卓人)

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