2020年02月14日 1612号

【護衛艦「たかなみ」の中東派遣NO 海から「中東へ行かないで」 陸から「自衛隊員の命を守れ」】

横須賀基地前で緊急集会

 海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」の中東派遣中止を求めて2月1日、神奈川県横須賀市の海自基地近くのヴェルニー公園(旧臨海公園)で緊急集会が開かれた。神奈川県平和運動センターなどが主催し、350人が集まった。

 同センター代表の福田護弁護士があいさつ。「閣議決定の後、イラン司令官の殺害、イラク駐留米軍への攻撃が起きた。中東海域ではアメリカ呼びかけの有志連合がすでに活動し、自衛隊をそこに情報提供する。有志連合と一体の軍事行動になる。自衛隊の活動や権限は自衛隊法に明記され、その限りで許される。それを抜け駆けするのが今回の閣議決定・中東派遣だ」と警告する。

 海を軍隊から市民の手に取り戻そうと活動する「ヨコスカ平和船団」の新倉裕史さんが報告に立った。「昨年から繰り返し『たかなみ』の乗組員に『中東に行かないでください』と呼びかけてきた。91年の掃海艇ペルシャ湾行きに始まる海外派遣が自衛隊員にとってどれだけ負担か。年100人を超える自殺者があったのは、2つの特措法でインド洋やイラクに派遣された04〜06年の3年間。特措法による海外任務で亡くなった自衛官は124人だが、死亡原因の第1位は自殺(54人)。戦争後遺症というべき状況が隊員のみなさんの中に起きている。本当に心配だ」と述べ、「01年、佐世保からの護衛艦・補給艦派遣では複数の自衛官が『戦争するために自衛隊に入ったのではない』と船を下りた。アメリカと一緒に軍事行動をするために入隊した自衛官はいない。私たちは『憲法9条こそが自衛官の命を守る』『9条はみなさんの最後の安全保障』と自衛官・家族に呼びかけよう」と訴えた。

 集会後は海自横須賀地方総監部ゲート前付近に移動し、「護衛艦を中東に送るな」「自衛隊員の命を守れ」とシュプレヒコール。海上からも平和船団のヨットとボートが「たかなみ」乗組員に向かって「中東へ行かないで」「9条がみなさんを守ります」と声を届けた。



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