2020年02月28日 1614号

【みるよむ(546)2月15日配信 イラク平和テレビ局in Japan デモ参加者の暗殺・誘拐に抗議する―広がるイラク市民の闘い―】

 イラクでは、失業と貧困、自由の抑圧に反対する市民のデモが続く。これに対し、政府はデモ参加者を暗殺、誘拐する弾圧を繰り広げている。2019年11月13日、サナテレビはバグダッドのデモ参加者に弾圧の実態を訪ねた。

 取材場所はまさに市民デモの現場。インタビューに答える人びとは、弾圧を避けるためだろう、みなマスクを着けている。10月1日から始まった市民デモへの弾圧によって、主要メディアの報道でも死者は500人以上、負傷者は数千人に及ぶ。

 1人目の市民は「権力者の手先である私兵によるありとあらゆる弾圧にさらされてきた」と告発し、「連中を追い出すまで、私たちはあきらめません」と強い決意を表明する。

 次に登場する市民は「国家がデモ参加者を弾圧すればするほど、民衆はそれだけ強くなる。16歳の若者がデモの先頭で治安警察部隊に立ち向かい、女性も力強くデモをしている。医者は負傷者を救援している」と、どんな弾圧にも屈しない市民の闘いを報告する。闘いは大きく広がっている。

 最後に登場する市民は「市民を弾圧する犯人を見た。あれは国家治安部隊の一員だ」と弾圧者の正体を語る。政府機関がイスラム政治勢力の私兵と一体となって市民を弾圧し殺す構造を鋭く暴いている。

2020年も続く市民デモ

 デモは2020年も続いている。軍事挑発を続けるトランプ政権にも、人権を抑圧するイラン政府やイラクのイスラム政治勢力にも反対している。

 米国とイランの対立も、イギリス、韓国、日本の中東派兵も、石油利権獲得のためだ。そのためには軍事対立も辞さず、利権獲得に邪魔な市民の闘いの弾圧を狙う。だからこそ、自衛隊の中東派兵を許さず、イラク市民の闘いに連帯しなければならない。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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