2020年03月20日 1617号
【2020年3月7日配信:トランプ政権のイラン司令官暗殺に反対】
|
2020年1月2日、米国トランプ政権はイラクのバグダッド空港近くでイランのスレイマニ司令官を空爆し殺害した。国際法無視の蛮行はイランとの戦争を引き起こしかねない軍事挑発だ。この事態をイラク市民はどう見たのだろうか。バグダッド市民に聞いた。
インタビューに答える作家は、米軍が司令官を爆殺したバグダッド空港も、イラン側が「反撃」ミサイルを撃ち込んだ米軍駐留地アサド基地もイラクの領土であると指摘する。
ところがイラク議会が抗議したのは米国に対してだけである。彼は「どちらの国もイラクの主権を踏み越える権利はない。イラクの憲法と主権とイラク国民の頭越しだ」と憤る。
この事件は、米国を中心とする欧州や日本などのグローバル資本と、イラクに影響力を持つイラン、それを支えるロシア、中国のグローバル資本との中東権益をめぐる争いである。
あるジャーナリストは、イランは150`bしか離れていないカタールの米軍基地ではなく、850`bも離れたアサド基地を攻撃したと指摘し、米国とイランに「イラクの領空を使うな」と抗議する。
別の作家は「米国とイランが互いに爆撃を行った。イラクは独立国家とは言えない。唯一の敗者はイラク国民だ」と主張する。
続く市民の抗議行動
イラク市民はトランプによる軍事挑発も、それを利用したイランによるイラクへの軍事介入にも反対している。そして大量の失業者を生み社会福祉も切り捨てる汚職だらけのイラク政府に対する抗議デモを続けている。3月1日、新首相に就任する予定だったムハンマド・アラウィ元通信相が組閣を断念した。市民の闘いを抑え込むことはできないと判断したからだ。
グローバル資本に反対するイラク市民の闘いに日本からも連帯していきたい。
(イラク平和テレビ局in japan代表・森文洋)
|
|