2020年03月20日 1617号

【福島原発事故から9年/東電本店前に200人 日本原電本店前に150人/住民合意なき再稼働工事やめろ】

 福島原発事故から9年。3月7日、首都圏に一番近い危ない原発“東海第二”を動かすな、と東京・秋葉原の日本原電本店前に150人が結集し、怒りの声を上げた。「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」が主催した。

 たんぽぽ舎共同代表の柳田真さんが「再稼働工事で作業員宿舎が5千人規模に膨れ上がり、防砂防風林が切られている。住民同意のない工事にぐらつく山田修・東海村村長。女性たちが詰め寄り、村長は謝罪した。反撃が始まった」と主催者あいさつ。再稼働工事反対署名(4月1日提出行動)と原電宛て抗議ハガキへの協力を訴えた。

 地元茨城県から駆けつけた人びとが次々アピール。東海第二原発差止訴訟原告団共同代表の大石光伸さん(常総生協顧問)は「裁判8年で今年5月結審、年内判決を迎える。原発事故が起きたら東海村だけでは済まない。首都圏住民が私たちは“地元当事者”だと声を上げることが大事」と呼びかける。

 同原告団世話人の披田(ひだ)信一郎さんは「県民投票で再稼働の可否を問う直接請求署名に取り組み、規定数を突破した。6月県議会に提出する。原子力安全対策委員会の東海第二原発技術検討ワーキングチーム会合で1千項目以上の問題を集約。コメントを付し、120数項目を原電に突きつけた。敦賀2号炉審査過程でも原電による技術的資料の改ざんが判明した」と指摘した。

 「コロナウイルスの健康被害の根底に免疫が落ちる低線量被ばく問題もある」と命を育む女性の思いを語ったのは“福島応援プロジェクト茨城”事務局長の小張(おばり)佐恵子さん。

 たんぽぽ舎副代表の山崎久隆さんは「再稼働に必要な3500億円のお金がないのに資金調達の説明を放棄。耐震性欠如▽岩盤まで基礎杭が届かず防潮堤倒壊の危険▽重大事故等対処施設の詳細・運用方法を公開せず評価不可能―再稼働の資格はない。目をつぶる規制庁の審査に重大な問題がある」と厳しく批判した。

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 同日、第78回となる東電本店合同抗議には200人の参加があった。

 ルポライターの鎌田慧さんが「核燃料サイクルは完全に破たんした。儲けるために人が死んでもいい―そんな非人間的な企業の先頭にいるのが東京電力。10周年には脱原発が国の方針となるよう頑張ろう」とあいさつ。

 双葉町から都内に避難している亀屋幸子さんは「福島では健康被害が広がっている。震災関連自殺は今まで115人になる。常磐線が全線開通するが、その終着駅は品川。セシウムを東京に運んでくる」と警告する。福島から武藤類子さん(福島原発刑事訴訟支援団副団長)が「昨年9月の判決、被告人全員が『無罪』。多くの被害者にさらなる苦悩と失望を与えた。私たちの尊厳を取り戻すために控訴審を闘っていく」とのメッセージを寄せた。



原発のない社会へ2020びわこ集会(3月7日大津)

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