2020年04月03日 1619号

【1619号主張 コロナ「緊急事態宣言」でなく 地域から命、人権、生活守れ】

命脅かす安倍の対策

 安倍政権の新型コロナウイルス対策は基本的人権を無視し市民の命と生活を脅かすものであることが日増しにあきらかになっている。

 イベント自粛や全国の小中高校一斉休校などに科学的根拠はなく、批判の前になしくずしで軌道修正している。ウイルス検査も「重症者のため」の名目で制限したままだ。WHO(世界保健機関)テドロス事務局長の「疑わしいケースはすべて検査を」(3/16)との呼びかけからもかけ離れている。オリンピック開催のために固執した感染者隠しは、むしろ実態把握を困難にし、感染拡大をまったく抑えられないばかりか、患者の治療体制確立をも困難にしている。

自治体では先取りと忖度

 それを追認したのが新型コロナウイルス対策専門家会議の提言(3/19)だ。提言は北海道の緊急事態宣言などは「どのような対策が効果を上げたか定かではない。札幌などでは患者が増加傾向にある」と指摘しながら「一定の効果があった」として「これまでの方針を続けていく必要がある」とした。さらに「人口10万の地域」で大規模流行が生じ一定の措置が講じられない場合、人口の79・9%が感染するオーバーシュート(爆発的患者急増)となると脅す。結論として独裁国家に道をひらく「緊急事態宣言」の発動を容認する。

 安倍の一斉休校、イベントや外出自粛などにより、経済活動と雇用が脅かされ、解雇や内定取り消しなど市民生活は悪化の一途をたどっている。しかし、安倍は一斉休校に伴う「保護者向け」とする企業向け助成金(フリーランスは半額)のみで、あくまで個人への補償は拒否したままだ。20年度予算には1円の対策費も盛り込まれておらず、組み替えもしない。

 一方で、本来、市民の命と人権、生活を守るべき自治体が政府方針を先取り、あるいは忖度(そんたく)し、自粛を市民に強要している。維新・吉村大阪府知事は「大阪・兵庫間の往来自粛」=外出制限をぶち上げた。多くの自治体で公共施設が閉鎖され、集会やイベント中止を市民に強いている。

 今行なうべきことは、コロナ「緊急事態宣言」などではなく、直接の生活保障と検査・治療体制の確立だ。

署名と自治体要請を

 安倍は軍事費には年5・3兆円も出すが、生活保障には支出を渋る。軍事費を削減し、正規、非正規、フリーランス、自営を問わず減収分は全額補償させなければならない。自治体は市民生活を守る独自措置をただちに行なうべきだ。

 命と人権、生活を守れと対政府・自治体要請を行なおう。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)の呼びかける「緊急事態宣言反対!生活保障を求める緊急署名」に取り組もう。

   (3月22日)
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