2020年04月10日 1620号

【最高裁前 抗議の緊急アクション/法の支配 三権分立の崩壊だ=z

 辺野古埋め立てをめぐる「国の関与取り消し訴訟」の上告棄却に抗議して3月27日、最高裁前で緊急アクションが展開された。総がかり行動実行委員会と「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会が主催した。

 国会包囲実行委の木村辰彦さんが報告。「翁長(おなが)前知事が命をかけて埋め立て承認を撤回したのに対し、沖縄防衛局は行政不服審査法を悪用し、私人になりすまして国土交通相に審査請求した。国交相は埋め立てが所管なのに『普天間の危険性除去』などを理由に撤回取り消しの裁決。最高裁判決は『国の機関も私人も知事の承認で適法に埋め立てができる。手続きや要件も同じ』と法の番人でありながら行政不服審査法7条2項(国の機関への不適用)を真っ向から否定した。法治国家の危機、三権分立の崩壊だ。沖縄だけの問題ではない」と力を込めた。

 総がかり実行委の高田健さんは「安倍政権による権力私物化が目に余る。最高裁までが行政府の意向を忖度して法の原理をねじ曲げる判決を下した」と批判。また、辺野古・大浦湾沿岸住民15人が原告となって国交相の裁決の取り消しを求めている裁判について、国会包囲実行委の毛利孝雄さんが「那覇地裁は3月19日の判決期日を直前に延期した。執行停止の申し立ても却下したが、15人中4人の原告適格を認め、軟弱地盤に伴う設計変更に際しては改めて環境影響評価を実施すべきと指摘した点は評価できる」と報告した。

 参加団体からは「いつまで沖縄の民意を踏みにじればいいんだ。防衛省がなんで『私人』なんだ。どこの『私人』が米軍基地をつくるんだ。沖縄はいつまで基地被害に泣き、性暴力におびえるのか。沖縄の自己決定権を取り戻す」(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)など怒りと決意の表明が続いた。

 最後に、「最高裁の政府への追随は沖縄差別そのもの。政府と裁判所が一体となって民意を押しつぶそうとしても、沖縄県民は絶対に屈しない」との声明を採択。今後の行動として▽沖縄防衛局の「設計変更」申請が出た際の防衛省前抗議▽行政事件訴訟法に基づく「抗告訴訟」の実質審理・公正判決を求める那覇地裁宛てはがき=個人署名―などが提起された。

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