2020年04月17日 1621号

【コロナウイルスから市民を守ることは政府の責任だ/2020年3月18日 イラク労働者共産党】

 コロナウイルス感染はイラクにも広がっている。同政府の発表(4/3現在)では感染者772人、死亡者52人とされるが、疑わしい。イラク労働者共産党の声明(要旨)を紹介する。

 新型コロナウイルス(COVID-19)は、社会生活のすべての面に影響を与え、国際社会の危機を生み出した。さらに、生活のあらゆる面で重大な機能マヒを引き起こした。

 WHO(世界保健機関)が提案するように、隔離、人と人との距離の確保(social distancing)、工場内や公共施設、市場をはじめ、どんな形態であれ集まらないなどで予防措置を成功させることはできる。

 隔離政策の実施を保証するために、世界中の多くの政府が様々な産業やサービス部門で労働者に補助的な収入を提供する新しい法律を制定した。こうした措置は、人びとがコロナウイルス蔓延から安全を保ち健康を守るために、仕事に行くのを止める動機付けになる。

 イラクは最近コロナウイルスの侵入を受けた国の1つである。イラク保健省と政府当局者が、ウイルスについて情報を提供する声明を出したが、イラク全土のコロナウイルスの感染状況の信ぴょう性と拡大のレベルについては疑いがある。ウイルス関連で登録されている症例の割合、死亡率の点でも疑惑がある。さらに、政府は、他国が取ったような市民を保護するための隔離でも、また経済対策の法制定でも、コロナウイルスの蔓延を抑える厳格な手立てをとっていない。

 政府は、イラクのすべての機関やその関連機関を含め、市民の暮らしと保護に責任があり、国民と全社会を守るため、経済上および公衆衛生上の義務をすべて実行する必要がある。

 イラク政府には以下のことを行う義務がある。

 ▽隔離について市民に情報を提供し、仕事、市場、宗教的イベントを含むあらゆる形態の集合を防止する。

 ▽隔離期間中、官民の労働者に給与を支払う。

 ▽生計維持を保障するために、男性と女性両方の失業者に給与を支払う。

 ▽消毒剤や医療用品の全費用を支払い、救命救急部門で働くことを求められるすべての労働者に給料を支払う。すべての医薬品と材料の入手と購入は、労働者ではなく、政府の責任で行わなければならない。

 ▽コロナウイルスに感染したすべての患者に治療費全額と保険負担金を支払う。

 イラク政府は国家の能力と富を管轄しており、このパンデミックから市民の安全を確保するために求められるすべての医療手段を提供する全責任を負う。
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