2020年04月17日 1621号

【財務省自殺事件ともんじゅ西村事件/構図そっくり 真相を究明したい】

 もんじゅ西村裁判-IIIの原告西村トシ子さんから投稿が寄せられた。

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 3月、近畿財務局の赤木俊夫氏(2018年3月死去)の遺書や手記が公表された。国や権力者の理不尽さ、改ざんを強いられ自殺に追い込まれたことを実名入りで記していた。妻は国と元理財局長佐川宣寿を提訴。勇気を出し決断したのであろう。注目したい。

 この事件ともんじゅ西村事件は構図的に―政府、国会答弁、改ざん、遺書公表、自殺、裁判―似ている。

 95年12月8日、高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ事故。動燃(動力炉・核燃料開発事業団)は事故を隠し、事故のビデオも隠した。同月27日、動燃理事長が衆議院で参考人として答弁。96年1月12日、総務部次長・西村成生(しげお)が記者会見で「ビデオ隠しの中間報告」の虚偽発表。翌13日早朝、大畑宏之理事がホテル室内で遺書を、ホテル敷地で西村の遺体を発見。警察は「8階非常階段から飛び降り自殺」と発表。理事長は自殺を決定的にしようと遺書を公表。遺書は死亡推定時刻を遅らせるため、他人が加筆・改ざんしていた。

 当時、私は“転落自殺”に疑問を抱き、動燃内の事務机を証拠とするため閣僚に封印を要請し、簡易的に封印された。(封印机内の遺品などの返還を請求しているのが今の裁判)

 動燃理事長に説明を求めて手紙を数回出したが、無視された。捜査担当者に説明を聞くため所轄の警察署に行くと、「担当者3名は転勤した」。だが、後に3名とも刑事課に在籍していたことがわかり、ウソだった。警察と動燃は連携し、マスコミを情報操作する一方、遺族に説明を拒んだ。

 裁判の外、遺体発見現場の実況見分などの情報開示を求めている。夫の死の真相を究明したい。赤木氏の妻と思いは同じだ。今後も注目していただきたい。

記者会見で、自殺した西村総務部次長の自分あての遺書を読み上げる動燃の大石理事長(96年1月13日・科学技術庁)
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