2020年04月17日 1621号

【コロナ感染 予防徹底の介護現場から 日々の暮らしを守るサービスを】

 私は、兵庫県西宮市の介護施設「笑顔のデイサービスつむぎの家」で働いています。

 3月頃よりコロナ感染が広がりだし、名古屋市や近隣の伊丹市などの介護施設では感染者発生で事業所閉鎖。その状況を知り、「他人事ではない」と感染予防対策を徹底してきました。

 そんな矢先、デイに通う2人の利用者が入居する大手高齢者住宅から突然、デイサービスの通所停止の知らせが入りました。すぐに担当のケアマネさんと相談し、週1回でも個別の対応ができないかと会社に求めました。しかし、強硬な姿勢は変わらず、通所停止から3週間がたちました。

 高齢者にとって、地域のデイサービスに通うことで家族以外の人との関係性が生まれます。このお2人もつむぎデイ開所から6年の付き合いで、「デイに来たら元気が出るわ」と他の利用者、スタッフと一日の生活を共に作る中で生きがいや生きる意欲が育まれてきました。今回のような感染予防を理由にサービスを中止する過剰な対応は、高齢者にとって認知症状が進んだり、気持ちが不安定になるとともに、関係を築いてきた人たちから離されたことで生きがいを奪われたに等しいと私は思います。

 サービスを停止するだけでなく、一人一人が大切にしてきた暮らしを保障するサービスの支援を同時にやっていく必要があります。

 日々コロナ感染状況を見るにつれ、高齢者の命を最優先した感染予防の徹底に努めながらの緊張の毎日ですが、「今日も楽しかった!」と共有できる環境を創っていきたいと思います。

(兵庫・畑京子)

 
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