2020年04月17日 1621号

【感染爆発の前に医療崩壊が 検査体制の拡大強化で医療の立て直しへ】

 私は首都圏のある病院に勤務している。いま大きな問題は、この状況で手術をどうするか。

 問題の核心は検査ができないことだ。感染しているかいないか分からない患者さんを診察し入院させ手術して、その結果医療者を感染させたら病院が機能しなくなる。選択肢は1「手術しない」、2「出来る限りの完全防御を施して手術する」。急を要する場合は2に当たるが、防護服やマスクなどがすぐになくなる。

 患者さんが感染しているか否か検査して判断すれば簡単に解決できる。山梨大付属病院で小児科の教授が0歳児のPCR検査に踏み切ったところ、陽性と判明したと報道された。病院長は「検査していなかったら院内感染が起きていた」と述べている。

 私が担当するリハビリテーション部門も事情は同じだ。無症状や軽症の人からも感染の可能性があると言われており、リハビリテーションを希望して転院してくる患者さん、通院してくる患者さんにどう対応するか。今年度から設置されたリハビリテーション運営会議を臨時に開いてもらい、話し合うことにした。

 外科系の部長は「スタッフを守るために、転入院患者さん担当のスタッフを分けた方がいい」「リハビリ目的の転入院の条件を厳しくした方がいい」、内科系の部長は「しかし、地域の要望に応えるのが当院の使命でもある」と忌憚のない意見が交わされた。一番うれしかったのは、「病院長から本部、厚労省に検査ができるように要請してもらう」という私の提案に「こんな時だから草の根から現場の声を本部に言った方がいい」と賛同があり、感染担当の院長補佐も同意してくれたことだ。疲れたけれどチョットよかった。

 (M)
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