2020年04月24日 1622号

【済州4・3追悼で日韓青年が共同行動 平和参加団の若者がSNSで発信 コロナ禍でも声はふさげない】

 日韓ユース平和参加団in済州(チェジュ)(1月10〜13日)で決定した方針の1つ「4・3追悼式に合わせ、日韓青年の共同行動を実践する」を踏まえ、済州4・3の追悼日に、済州島で歴史を学んだ日韓青年がSNSを使った共同行動を行いました。

日韓で今できる行動は

 新型コロナウイルスが蔓延する中でもできる行動はないかと協議し、(1)4月3日に各自が1分間の黙祷の時間をもつ(2)白碑(済州4・3の正式な名前が決まらず真相究明が成されていないことから平和記念館に何も書かれていない白い碑文が横たわっている)に平和への願いを込めSNSに投稿し共有する―を各自が実践することに決めました。

 まず、日韓それぞれでポスターを作成。韓国側は、起き上がった白碑の絵を用意。空白の碑の絵の中に、4・3がどのように記憶されるべきかを各自が一言書き、済州4・3の経過を記載したポスターと一緒にSNSで共有しました。日本側は、横たわる白碑の写真に「私たちは済州4・3を忘れない」と記入したポスターを作成。これを添付し、4・3への追悼の想いをSNSに記し共有しました。

 日韓共同行動を意識して、ハッシュタグ(#4・3を記憶し行動する日韓青年たち、#ZENKO  #対案文化連帯)も日韓共同で作り投稿(SNSでハッシュタグを検索すると見られます)。日本側は3人、韓国側4〜5人がSNS行動を行いました。

 日本側の参加者は「2度と同じ歴史が繰り返さないよう、歴史を記憶し、あらゆる抑圧や差別と闘っていきます」「4・3事件追悼行動に連帯。1日も早い事件の真相究明を! 日韓の戦争する国づくりを阻止しよう!!」「1月に日韓の若者30数名で済州島を訪れ、虐殺現場に足を運び大きな衝撃と悲しみを感じた。平和をつくることは過去の歴史を直視し、未来へと紡いでいくこと。今後も済州で感じたことを忘れずに大切にしていきたい」と投稿。

 韓国側は「誰かの権力欲を満たすために、村が消え人々が亡くなり、残った人々の心には傷だけが残った。彼らが生きてきた歴史は変わっていない」「6・25戦争(朝鮮戦争)が6月25日に起こったのではないように、済州4・3も4月3日だけに起こったのではなく7年も続いた。権力者が権力を維持するために無差別に虐殺した事件だということを記憶しなければならない」「虐殺と差別により多くの意志が消え去ってしまった。何よりも人が、命が大切にされる時代を作っていく」「4月3日。いまだ名前のない白碑として横たわっているゆえに痛ましい歴史。顔を向き合わせてしっかりと記憶し、必ず究明しなければならない歴史。今日の感染症の季節を耐え、このように記憶していこう」と投稿しました。

 済州島での参加団後初めての日韓共同行動となり、改めて済州4・3で亡くなった多くの方々を追悼し2度と同じ歴史を繰り返させないと誓い行動することができました。

歴史を繰り返させない

 済州島で資本が自らを維持するため島民を「アカ」(共産主義者等をさす)と決めつけ虐殺したように、政府・資本によって市民の命が蔑(ないがし)ろにされている昨今の状況は看過できません。

 コロナ感染の影響で「自粛」が叫ばれ、集会や行動さえも自粛する雰囲気がありますが、このような時だからこそ運動の力が大切です。マスクで口は塞(ふさ)がれても要求する声までは塞げません。黙っていてはウイルスではなく安倍政権に殺されてしまいます。今まで通りの行動は出来ずとも、ネットを使って要求と運動を広げていきましょう。

(平和と民主主義をめざす全国交歓会〈ZENKO〉共同代表・河辺友洋)



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