2020年04月24日 1622号

【みるよむ(552) 4月4・11日配信 イラク平和テレビ局in Japan 「市民デモと労働組合」 「市民蜂起の女性たち」】

 今年2月になってもイラク市民のデモは続いている。

 「イラク市民デモと労働組合」(4月4日配信)では、政府を揺るがす市民の闘いが続いている原因について組合活動家が「仕事の機会がなく、その結果、こうした大規模な市民蜂起が起こった」と指摘する。

 2人目の活動家は「労働者は市民の意識を高め、大きな広場で人々が集まれるようテントを設置するなど、デモを支えてきた」と話す。市民の怒りと闘いの組織化に労働組合が大きく貢献していることが伝わってくる。
 「イラク市民蜂起の女性たち」(4月11日配信)は女性の闘いを詳しく伝える。

 最初の女性活動家によると、女性は行動の中で負傷者を助け食料を提供している。また「ティッシュペーパーを売って収入を得ている貧しい女性たちが少ない収入からデモにカンパしている」。2人目の女性も、医科大学の学生などあらゆる年齢の女性が負傷者の手当てなど闘いの最前線で活躍してきたことを語る。

 権力側はこの市民デモを侮辱してきた。ポルノビデオ撮影の格好をした女性を連れ、タハリール広場で踊らせて写真を撮ったという。デモ参加の若者らの評判を落とそうとした行動だが、市民は全く相手にしない。

抑圧された人々とともに

 女性は「私がデモに参加しているのは、実現したい要求と目的を持っているからだ」ときっぱりと語る。「売春に従事せざるをえない女性たちが若者を救出したり、家を提供してくれた」という話も紹介する。イラク社会で最も抑圧された人たちにとって誰が味方なのかを端的に伝える。

 人々の生活と人権の回復を求めてイラクの市民蜂起は続く。この闘いを伝え、日本から連帯を広げたい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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