2020年05月01日 1623号

【バーニー・サンダースの大統領選候補撤退 DSAはコロナと闘い続ける】

 4月8日、米上院議員バーニー・サンダースが大統領選民主党候補から撤退を表明した。選挙運動を支え、全力でコロナとの闘いを呼びかけるDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)の「コロナウイルス速報No.9(4/4)」(要旨)を紹介する。

ありがとうバーニー

 コロナウイルスが緊急の課題となる中、バーニー・サンダースは大統領選挙運動を中止すると決定した。バーニーは声明で、自らの連邦議会活動の重要性を強調し、「私は良心にかけて、この困難な時に我々すべてに求められる重要な仕事の妨げとなる、勝利できない選挙運動を続けることはできない」とした。

 これは米国史上最も成功した社会主義者の選挙運動だった。我々はバーニーに対し、選挙運動中に作り上げたすべてに感謝したい。バーニーを支持するDSAの選挙運動は、我々が持つすべてをささげたのである。

 この撤退は我々の運動にとって重大な後退だが、闘いは続く。バーニーは労働者を最優先する民衆の選挙公約によって立候補した。今、彼は同じく労働者を最優先するコロナウイルス対策に軸足をおく。パンデミックそして数十年で最悪の社会的経済的危機のただ中で、人種を超えて労働者階級全体が反撃のために組織されなければならない。

 労働者の状態は悪化し続けるだろう。4700万人が仕事を失い、数百万人が医療保険未加入のまま医療が必要な状態におかれる。感染の危険にさらされる労働者は防備もなく、労働者階級を支えるインフラが完全に崩壊する可能性がある。

景気刺激策を要求する

 大統領選離脱の前、バーニーは緊急事態に直接対処するために、以下の一連の要求を提案した。

 ▽労働者の雇用保障。有給の医療休暇・病気休暇、すべての人への月2000ドル(約22万円)支給、感染の危険にさらされる労働者への危険手当。

 ▽メディケアの範囲を広げて保険未加入者と部分加入者の医療費に適用する。

 ▽各州・各市への6000億ドル(約66兆円)の直接財政支援。

 ▽国防生産法を活用し、個人用防護具や人工呼吸器などを生産する。

 ▽毎月の必要諸経費の4か月支払い凍結、学生ローン帳消し。強制立ち退きや差し押さえ、電気・水道など公益関係の遮断を停止する。

 バーニーは、選挙運動のインフラをコロナ危機に振り向け、選挙資金提供者にお金は救済義援金に回すよう要請した。大統領候補争いからは離れるかもしれないが、彼の思想―特にメディケア・フォー・オール(すべての人のための公的医療保険)は、かつてない反響を引き起こしている。現実がバーニー・サンダースを支持しているのだ。

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