2020年05月01日 1623号

【コロナで労働相談 電話で、街頭で、地域で次々と なかまユニオン奮闘中】

 コロナ緊急事態宣言の下、休業強要や解雇・雇い止めは、非正規雇用労働者、中小企業の労働者を直撃している。1人でも入れる地域ユニオン、なかまユニオンにも街頭で、電話で次々と相談が寄せられている。

緊急事態宣言の後 コロナ関連事案が急増 大阪

 3月に入って労働相談の件数が3割ぐらい増えている。3月初めごろから新型コロナ感染症関連の相談が出始め、4月上旬からは多くがコロナとなっている。

 このところの外国人旅行客増や2025年大阪万博を当て込んでいたホテルや旅行業へのコロナの打撃は大きい。「4つ営業していたホテルの2つを閉めるということで、明後日から自宅待機と言われた。急すぎる」「正社員だが、2時間時短で、出勤日も減らすと言われている」などの相談が寄せられている。

 4月5日の日曜日、JR京橋駅の宣伝行動では「近くのホテルの清掃をしているが、シフトを減らされ生活できない」と切実な相談がその場で寄せられた。

 7日の緊急事態宣言後は、大型商業施設の警備をしている方から「営業していないので、警備の仕事も無くなった。どうしたらよいか」という相談が寄せられた。

 安易な退職勧奨や解雇は許されない。緊急事態宣言が出ても、休業中の賃金を100%支払う義務が会社にはある。最低でも、労働基準法の60%休業手当。これには罰金という強制力がある。労働基準監督署や組合での交渉をアドバイスする。

 個別の相談には、今できることで対処するしかないが、根本的に、政府の責任で経済的損失補償をするべきであるのは、当然だ。

 以降も日を追って相談が寄せられている。

(大阪・なかまユニオン執行委員長・井出窪啓一)

◆相談は TEL06-6242-8130
 mail@nakama-union.org
 http://www.nakama-union.org


不当な整理解雇通告 助言し相談続ける 京都

 4月11日、なかまユニオン京都支部単独で「コロナ解雇・休業等労働相談ホットライン」に取り組んだ。

 直接京都支部に寄せられる労働相談は平均月1件程度だが、3月は3件あり、うちコロナ関連が2件だった。1件は自営業者の方からの支援制度に対する質問。もう1件は、コロナの影響でシフトを減らされたことによる賃金減少のため4月末に退職することにした方から。未消化の有給休暇の取得を申し出たところ、すでにシフトが決まっているので認められないと言われたという相談だった。

 なかまユニオン全体の電話相談も行われているが、京都でも、との提案を受け、コロナ関係で困っている人に少しでも支援できればと支部独自の「ホットライン」に取り組むことにした。

 放送や新聞にも要請に行き、後日新聞社3社から案内記事を掲載するとの連絡があった。朝日新聞の記者からは、最近の労働相談の傾向を尋ねられた。

 11日当日は組合員4人で体制をとり、労働弁護団作成の「新型コロナウイルス感染症に関する労働問題Q&A」や最新の新聞記事を準備して臨んだ。相談の電話は2件だったが、うち1件はもろにコロナ解雇の相談で、4月末の整理解雇を通告された方から。コロナの影響で業績が悪化したことが整理解雇の理由にされている。だが、整理解雇の4要件を1つとして満たしておらず、不当解雇であると指摘した。組合に加入し団体交渉での解決も助言したが、まず会社と話し合ってその結果によりまた相談にのってほしいとなった。

 コロナ問題で苦境に陥っている人は多いはずである。
しかし、その人たちの声はほとんど労働組合に直接届いてはこない。どうやったらさらに集めていけるのかを考えつつ、継続した取り組みを行っていきたい。

(なかまユニオン京都支部・小山敏夫)

  
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