2020年05月22日 1625号

【コロナ禍の改憲利用に反撃/平和といのちと人権を/5・3憲法集会 国会正門前ネット中継】

 第73回憲法記念日の5月3日、「許すな!安倍改憲発議 平和といのちと人権を!5・3憲法集会」が国会正門前から感染防止策をとりネット中継で発信された。東京臨海防災公園の大集会は中止されたが、全国の市民が視聴し、コロナ禍を改憲に利用する安倍政権打倒の闘いを呼びかけた。

 総がかり行動実行委員会の高田健さんが開会あいさつ。「同調圧力での基本的人権の侵害、憲法審査会を動かす改憲の動きは見逃せない。感染を収束させつつある韓国は緊急災害支援金の財源にF35戦闘機、イージス艦購入費など国防費をあてている」と指摘した。

 早稲田大学名誉教授の浅倉むつ子さんが登壇。感染者や医療従事者への心無い言葉に触れ、「緊急事態に、育児・仕事を抱えるシングルマザーやケアが必要な高齢者、障がい者、医療現場で疲弊している人たち、最も弱い立場の人びとが安全に尊厳持って生きられることが優先課題だ」と訴えた。

 「憲法13条は、国家が国民の生命を侵害してはならない意味だけではない。生命をコロナから侵害されている場合、国家は保護責任を負い、PCR検査や休業・損失補償、学習権等を要求する権利がある」と力説したのは国際基督(キリスト)教大学元教授の稲正樹さん。

 「新型コロナと向き合い疲れ果てた先の民主主義の消滅が心配」と語るジャーナリストの堀潤さんは「民主主義の対義語は沈黙。回りに勇気を振り絞って声を上げる人がいたら、駆け寄って『よく声を上げたね』と支えあうことが第一歩。民主主義の主役は私であり私たち。連帯して声を上げよう」と呼びかけた。

 コロナ感染拡大防止の努力に背を向ける憲法破壊が進む中、福島、沖縄や安保法制廃止の分野からメッセージが紹介される。最後に、憲法共同センターの小田川義和さんが「市民の人権を制約できる緊急事態条項を今言い出すことも、自衛隊の憲法明記も、危機に便乗した火事場泥棒だ。改憲発議NO!緊急署名を手紙・SNSを活用し広げよう」と行動提起した。

 集会終了後、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)メンバーらは、韓国ソソンリから届いた「共に平和!」マスクを着け、「人との距離確保」を一瞬だけ解いて記念撮影に収まった。

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