2020年06月05日 1627号

【議会を変える 東京都足立区議 土屋のりこ 現場の実態が区政を動かす】

 画期的です! 今月、足立区でフードパントリーへの補助事業を勝ち取ることができました。正確に言うと、子どもの食の確保緊急対応事業において、従来の子ども食堂だけでなくパントリー活動へも5月12日以降補助対象が広げられることとなったのです。1団体あたり上限額10万円で小さな市民団体からみると手ごたえのある金額です。

 事の発端は4月におこなわれた総務委員会で、事業対象が子ども食堂のみでなぜパントリーを対象としないのか質問しました。その後5月2日に開催したパントリーに区の担当課長と部長が見学へ。4月は20世帯だったのがコロナの影響を受け、5月は38世帯に急増。離職や休業により無収入となった人が4人、減収11人、自宅待機により支出増が12人と、収入減・支出増のダブルパンチで経済的に追い詰められる世帯が増えている実態について、支援の必要性を行政サイドと共有できたかと思います。

 一部には「フードパントリーはお菓子とかが多くて使いにくい」と陰口を言う人もおられるようですが、きちんとパントリーの実態を伝え、社会的意義の認知を広めていきたいと思っています。

 今回足立区がパントリー支援事業を初めて行った意義は大きいですし、恒常的な事業にしていきたいと役割を認めてもらってもいるので、議会からも強く後押ししていこうと考えています。

 本来であればこうした支援は公的にやるべきものですが、行政がやらないなら私たちが取り組み、実態をもって困窮世帯への支援の必要性、給付策が困窮者支援に不可欠であることを訴えていきたいと思います。

 コロナ対応においては、この間、食の支援の必要性を繰り返し求めてきたかいがあり、都の間接補助にも手を挙げ、就学援助世帯への給食費支給もおこなわれるなど成果がありました。

 これからも現場で市井(しせい)の人々の声を拾い、公的支援の拡充へと結びあわせ取り組んでいきたいと思います。

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