2020年06月05日 1627号

【みるよむ(556) 2020年5月23日配信 イラク平和テレビ局in Japan ニューヨーク家賃ストライキ ―コロナ危機と闘う市民・労働者―】

 新型コロナウイルス被害が最も深刻な米国では、3600万人以上の失業者が出ている。収入を絶たれた住民は家賃が払えない。

 ニューヨーク市では家賃の帳消しを要求する市民の家賃ストライキが広がる。5月1日のメーデー、50以上のビルの借家人千人が家賃ストに参加し、家賃不払い署名は1万集まった。家賃が払えなければ追い出されてしまうのだ。

 ニューエスさんは借家人活動家でニューヨーク・ブロンクス住人・聖職者連合の一員だ。クオモ州知事は90日間の家賃一時猶予を命じたが、3か月後に払える見通しなど全くなく、家賃帳消しの運動を進めている。

 同市ブロンクス、クイーンズ選出でDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)のオカシオコルテス下院議員はネット上で対話集会を組織し、家賃・ローンの3か月支払い延期・帳消し策を訴える。イルハン・オマール下院議員は家賃帳消し法案を提出した。市民の闘いと連携してトランプ政権に闘いを挑んでいる。

 アパートのバルコニーから「家賃帳消しにしろ クオモ知事」のバナーが次々と掲げられ、橋にも「家賃帳消し」の巨大バナーが。

アマゾン前でも抗議行動

 マンハッタン中心街にメキシカン・バンドが登場し、クオモ知事の事務所に向かい「すべての人へ公正な住居を!」と演奏する。さらに世界一の大金持ち、アマゾンCEOジェフ・ベゾス事務所の前では配送所ストにも呼応した抗議行動。そこに「家賃ストライキ」自動車デモが駆け付ける。

 ロックダウン(都市閉鎖)でも屈しない、市民・労働者の怒りと闘うエネルギーが生き生きと伝わってくる。

 表現の自由、抗議活動の抑圧に抗し、権利を行使して家賃帳消しや安全確保、賃上げ、生活保障を要求する闘いが世界で広がっている。日本からも連帯し、ともに闘いを進めたい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

 
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