2020年06月12日 1628号

【奥間政則さん講演(要旨)/暴走する日本の軍事化/政府は民意を恐れている/アイデアを出し、続こう】

 コロナの影響で、私が直接話すのはこの集まりだけとなったが、元気よく沖縄から来た。6月7日は沖縄県議選。デニー県政支持候補の勝利へ緊迫している。

 着けているマスクは、数十人の市民に1万人の警察が入った韓国サード反対闘争のソソンリから提供されたもの。(ヘリパッドに反対する)200人が千人の機動隊と対峙した東村(ひがしそん)高江と同じで複雑な思いだ。2月高江での5人の逮捕は、私たちドローンプロジェクトや活断層調査団を弾圧対象にし、情報を引き出すことが狙いだった。

 ドローンの眼が捉えた現状と闘いを報告する。

 辺野古の作業員がコロナに感染し工事は止まっている。工区の緑色は吹付けた土壌団粒化剤で、隣りの工区への土砂投入の準備だ。本部町塩川港沖合に台船、台風で避難した運搬船17隻が戻り工事再開体制にある。 宮古島の千代田・保良(ぼら)区では、弾薬庫近くに集落がある。大爆発時の避難計画もないのに工事を強行している。石垣島の平得大俣(ひらえおおまた)で自衛隊のミサイル基地工事が始まり軍事化が進む。しかし、特別天然記念物カンムリワシの営巣活動が確認され工事は中断。高江のヤンバルクイナ営巣時に工事を止めた時と同じだ。アイデアを出せば工事は止まる。

正しい情報で運動は強く

 次に辺野古調査団。2018年2月オール沖縄主催の「辺野古沿岸域活断層シンポジウム」に目崎茂和(三重大学)、加藤祐三(琉球大学)、立石雅昭(新潟大学)ら学者3氏が参加した。「学者や技術者が正しい情報を与えることで運動は強くなる」―立石さんの言葉が忘れられない。科学的根拠と理詰めで闘う地質学者の立石さんは、現地調査時、海岸線の抉(えぐ)れた岩を見ただけで活断層を見抜いた。楚久(すく)、辺野古の2本の断層の真ん中に弾薬庫がある危険さだ。「辺野古活断層UIチャンネル」で検索してほしい。

 辺野古設計変更の問題点について。軟弱地盤対策の2工法は、振動をかけヘドロ状の地盤にパイプを打ちこむことで確実に濁り水を発生させる。護岸を閉め切らず海上船からパイプを降ろし土砂投入=先行埋め立てを実施と言うが、サンゴ礁への影響は甚大だ。

 最後に「あつまれ辺野古」の闘いを紹介する。18年2月名護市長選で稲嶺進さんが負け、諦めが広がった4月、「あつまれ辺野古500人行動」を呼びかけた。毎日700〜800人が集まり5日間工事を止めた。名護市安和(あわ)、塩川で、逮捕されない運動をやろうと始めた「GoGoドライブ作戦」。ダンプ34台が安和桟橋から出口へ渋滞し、ベルトコンベアーが止まり土砂積込みができない。塩川港入口では、座り込むと排除されるため立って歩く。

 「あつまれ辺野古」はトップダウンの組織ではない。みなで話し合い、一人がアイデアを出せばあとに続く。

 黒川検事長の問題で世論が動いたのは大きい。種苗法も見送られた。政府は民意を恐れている。

MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS